黒を纏う聖堂騎士団員

□5.働きたくない。
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暑い日というと動きたくなくなる。
そうなると必然的に働きたくなくなる。
特に冷房もないDQの世界ではなすすべもなく敗北します。
それでも年中無休暑苦しいこの男の存在に、マイエラ修道院は暑く燃えます。
マルチェロという暑苦しい年中無休長袖という視覚的暴力野郎です。
長い髪を珍しく結い暑さをしのごうとしているクロノスには不愉快でしかありません。

「兄貴、脱いでよ。
つか脱げよ。無自覚いじめが一番ウザイ」

ククールが珍しく良いことを言うのは置いといて、脱げよってなんかアブナイ発言だよ。
腐女子ホイホイのタグつけられたいのか?
兄弟愛の意味が変わるし。
そんなボケはもうやめるとしまして、マルチェロは二人を水をかけて起こすつもりのようです。
この光景をみたらそうしたくなります。
二人してベッドから動かない光景を見れば。
ベッドまで濡らしたら大変な気がしますよ、マルチェロさん。

「あぁ、こんなときはドラゴンで移動したいんだけど。
兄貴〜ドラゴンって今もいるのか?」

「おいおいククール。
どこぞの魔法学校でもドラゴンで登校なんてねぇぞ・・・・・・
暑さのせいで言葉遣いが荒れた・・・・・・」

「サイン コサイン タンジェント
ホイミ べホイミ ベホマズン」

「ククールが壊れた。
マルチェロ、ククールがヤバイ」

いや、カオスなのはこの状況からです。
マルチェロは冷静にククールの頭に水をかけ始めました。
水をあげれば育つ植物扱いですか。
安上がりなのが特徴のククール出来上がり!!
安上がりってこの場合どんな意味が?

「あぁ〜クソ。起きます起きます。
私にはかけないでくださいよ、水」

ククールは未だに起きないのに、クロノスは嫌そうな顔で起き上がりました。
水なんて浴びたら、服が体にまとわりついて性別がばれます。
マルチェロとしてはそれで追い出せたらラッキーでしょう。
腹黒い男は魅力的なんですけどね、傍にいたら対処に困ります。
マルチェロは腹黒い上に冗談は効かないし、無言有言実行野郎ですから。

「こ、こいつ!!
さっさと動かんか!!」

「マルチェロも暑さで頭がやられてるな。
メラゾーマもしたくないらしい。
いつもなら過激に始末しているだろうに。
ここは任せてくれないか?

ククール、汗をかいたまま濡れた服を着ていると臭うぞ」

「マジで!?ちょっと着替えてくる!!」

単純に起き上がったククール。
風のごとく走り出します。
さすがにクロノスの前で着替えは嫌なのか、それとも嫌がられたか。
または両方か。
それを逃がさないのがマルチェロ団長です。

「待てククール。貴様が着替えてくる必要はない。」

「まさかここで脱げって!?
マルチェロの趣味疑うぜ・・・・・・
いくら修道院は男しかいないからってそりゃ」

「メラゾーマ」

お・や・く・そ・く
焦げたククールを何も変わらない表情で見つめる二人。
クロノスはそれより何か言いたいご様子。

「マルチェロ、暑い日にメラゾーマを至近距離で放つな。
私も暑い!!
それに室内だ。火事になるぞ。
マイエラ修道院は金ないんだから」

「そうなればククールを売ればいくらか金になるだろう」

さすがのクロノスも驚きました。
腹黒い奴だと知ってはいても、まさか人身売買の予兆をみせるとは。
まだオディロ院長は生きていますよ、マルチェロ。
そんなアブナイ発言はよしなさいな。
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