黒を纏う聖堂騎士団員

□2.マルチェロのいない日
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いつもいつも机にいるマルチェロ殿。
別に机に座っているのではなく、仕事中毒者と言いたいんです。
ククールが朝帰りする時も起きているぐらいです。
さあ皆さん、DQ8を起動させ、確認せよ。
それはそうと、ククールとクロノスはマイエラ修道院がやけに静かだと気づきました。

いつもなら
マルチェロの怒鳴り声やマルチェロの机を叩く音やマルチェロに追いかけ回されるククールがありますが、
それがありません。
なんだか恐ろしく感じた二人は勝手に団長の部屋に入りました。

「い、いない?
礼拝なんて聞いてないぜ?
まさか、兄貴が誘拐された!?

兄貴〜!!知らない人についていくだなんて許さーん!!」

「いや、マルチェロならメラゾーマで灰にしてオシマイだろ」

「マルチェロはいつも狙われてるんだ。
いい体格に美しきボイス!!そして自覚なきイケメン・・・
このマイエラ修道院で抱かれたい人ランキング一位!!
男からの支持もあつく、礼拝でもセクハラを人一倍受ける兄貴が・・・・・・」

どうしてそんな発想になる、と言いたげなクロノスでしたが放置しました。
問題はそれよりもマイエラ修道院資金報告書がまだ出来ていません。
マルチェロ任せにしていたから悪いんですよ。
ククールが責任をとり、やるはず・・・んなわけないか。

「まあ、報告書は遅れても、夕食はどうなるんだ?
マルチェロは金に煩いからな。
野菜スープぐらい出ないかな?」

「んな材料、ここにはねぇよ。
て、兄貴はいつもどこから材料調達してんだ!?
野菜って湧いて出てくるか!?」

「ならマイエラ修道院は毎年赤字団体にならん。
さてさてマルチェロが来るまでどう凌ぐか。」

「だから兄貴は誘拐されたんだ!!」

いい加減にしろと言いたげなクロノスは、とうとうレイピアを抜きました。
そのおかげで赤い生命体は黙り込みましたよ。素晴らしいですね。
とりあえず二人は食堂に行くことにしました。

冷静に辺りを見渡すと食事中のようです。
マルチェロが食事の準備をしないわけがありませんよね。
そう二人はサラリと結論付けました。
マルチェロは仕事中毒者ですから。
こうなるとマルチェロがどこに消えたか、本当に分からなくなります。

「ククール、マルチェロに何かしたか?」

「なんでオレのせいになるんだよ!!
確かによく叱られてるが、薬には手を出さないぞ!!」

「・・・・・・」

クロノスは疑いの眼差しをくり出した。
そりょいきなりそんなこと言われたら、疑いの眼差しをしますよね。
やっぱりククールはラリっていたか。
納得して頷いてしまいました。

「納得、やめろ。
オレは何も悪くない。悪くないんだ!!」

「あぁ・・・そうだよな」

クロノスは疑いの眼差しをしておきながら爽やかな笑みで言いました。
うんさん臭いです。でもククールはマルチェロよりマシだと言い聞かせました。

「さて、マルチェロ探しだが」

「あんたらマルチェロ探してんのか?
ならドニの町だぜ」

そう言われてしまい二人は悲鳴をあげました。
マルチェロには似合わないからですね。
わかります、ククールじゃないんですから行きませんよ。
ドニで礼拝はピンと来ませんし。

「まさか、兄貴がどうていそ・・・」

クロノスはククールを食堂の外に投げ飛ばし、回し蹴りをかましました。
彼女が格闘スキルを獲得した要因は、こいつ?
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