The uncertainty of the future

□08.タナトスの塔
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ペルソナは心の仮面である。
心理学で、社会に適応するための表面的人格をさす。
使い方を謝れば、糸が切れたただの暴走人形にしかならない。
それを思い知らされた柊沢と綾瀬は、助かったトロを見ながら多少恐怖になる。下手をしたらあんなグロテスクな事態になるのだと。
できる限り遠慮したいものだ。
とりあえず食料を確保し、上杉がペルソナ使いを判明したため、ペルソナ使いたちで話し合いを始める。
やることはそれぐらいしかない。

「素直に塔を登るしかないと言うわけか。
一気に三つを攻略した方がいいな。」

一気に三つの塔を攻略するにせよ、誰が行くかは大きな問題となる。
人選を謝れば大惨事が起きそうだ。
そこで三つの塔の入り口の雰囲気から行けそうなメンバーを選ぶ。
問題はタナトスの塔だった。
一番強そうで危なそうな塔と本能で感じていた。

「俺、行くぜ」

柊沢は自ら行くことに名乗りをあげた。
それを見て南条もついていくと言い出した。
二人では心配過ぎるため、鳴海が行くと言い出そうとした。
柊沢がそれを制した。
過剰な自信と言うわけではなく、率直な意見として制したらしい。

「一番強い銃さえあれば俺らで行ける。
南条、足を引っ張るなよ」

「そっちこそだ。稲葉よりマシだろうが。」

「上杉よりはいくらかマシだろ。
鳴海は上杉と頼むぜ。」

エリー、ゆきの、綾瀬と上杉、鳴海と別れ、それぞれ塔を上ることになった。
寒い学校の中、動き回ることが辛い。
特にタナトスの塔の入り口にされた教室は驚くぐらい寒い。
スカートなら今以上に震えていただろう。
南条は冷静に手袋とマフラーを取り出したので、柊沢はいつも持ち歩くのか気になった。
そのマフラーと手袋を柊沢に渡す。

「女が冷やすのはよくないんだろう?」

「あ?それは足じゃないか。
つか、綾瀬に渡せよ。あいつ、この光景みたら騒ぐぜ?」

「横でくしゃみされるよりマシだ」

「これでバイクの借りがチャラだと思うなよ」

人の好意を素直に受け取らない柊沢にため息が混じる南条だった。
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