The uncertainty of the future

□06.ペルソナ様
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学校側が悪魔がいるなかで当然だが外には出させてくれない。
大抵の生徒はその場合、諦めて去っていく。
一部の生徒はそうでもない。必ず外に出れない訳ではないのだから。
柊沢もその一人だ。
校門を軽々登り、綺麗なジャンプで着地してみせた。
見張りであろう生徒が感嘆のため息をつくほど綺麗であった。
短距離走が得意な彼女ではあったが、緊急時に全力を出さないのはプライドが許さなかった。
寄り付く悪魔を無視して右の角を曲がった時、ゾンビの群れを発見した。
その先にはエリーの姿が見えた。

「エリー、伏せろ!!」

耳にしたエリーはその場にいた鳴海、ゆきの、そして園村の母にしゃがむよう指示した。
柊沢はゾンビがいる狭い隙間から負傷者の姿を捉える。
一掃してしまわないと被害を増やすだけと判断した彼女に遠慮はなかった。

「ペルソナ クロノス!!」

ゾンビの群れの中心から発生した爆発。
エリーたちは爆風の影響で尻を地面につけるはめになった。
一斉清掃されたゾンビは跡形もない。
存在まるごと消されたゾンビの中、彼女はゆっくり歩いてきた。
本人は爆風の影響を受けてはいないらしい。

「無事か。エリーとゆきのと鳴海と・・・どちらさんだ?
それに南条とマークはどうした。まさか死んだか?」

「不吉なことを言うな。こちらは園村の母だよ。
南条と稲葉なら武器を探すとかでいない。
それより巡、驚いたよ。
あんたもペルソナを使えるのかい?ペルソナ様遊びはしたことがないって言ってたからてっきり。」

「・・・・・・どんな経緯でペルソナ使いになったはどうでもいい。
戦力になるならな。
早く学校に戻れ。この辺の悪魔は走れば振りきれる。」

「あんたはどうすんだい!!
一人で危ない橋をわたろうなんて許さないよ」

「セベクビルを・・・見に行くだけだ」

柊沢は冷たい目でゆきのを見た。
いや、その目はゆきのは映していなかった。
恨みを感じるものではなく、遠く近い未来を見ている目である。
見知らぬはずの未来を。
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