The uncertainty of the future

□05.悪魔の街
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ペルソナ様遊びを過去にしたことがない。
柊沢はそれでもペルソナ様遊びはしてはいけないような感覚に襲われていた。
きっかけは上杉がペルソナ様遊びをすると言い出したことだ。
マークと争いになり食べ放題がどうだ、とか話をしていた。
興味は沸かなかったが、不安だけが柊沢を襲う。
記憶にないだけでくだらない遊びの経験者であるのか。柊沢はわからない。
不安が的中したのか、初めてペルソナ様遊びをした連中は倒れた、という話が耳に入る。
鳴海、南条、ゆきの、マークが病院に行ったらしい。

「不安はこれか?馬鹿馬鹿しい」

気を紛らわせるために、演劇部に顔を出しに行った。
出し物の打ち合わせをしているようで騒がしい。
第一に無関係者がいる時点でどうかと思われる。
柊沢は気にもせず眺めていた。

「へぇ、出し物か。何するんだ」

「『雪の女王』って童話知ってる?」

「あぁ・・・・・・演劇には最適だな」

小さな頃の記憶を呼び起こす柊沢。
『小さなガキが相棒のために雪の城?塔?にでもいく話だな』と雑なまとめ方をした。
呼び起こすと同時に学校内で聞いた噂も思い出す。
『雪の女王の役をした生徒が死ぬだったか?』と。
最後が曖昧ではあるが童話よりかなり正確である。
柊沢は根拠なしに噂は立たないだろうと考えた。
そこで雪の女王の仮面がまだ体育館倉庫にあるか、見に行くことにした。
体育館に行くことが久しぶりである柊沢は、しばらく高い天井を見つめた。

「地震が来たら真っ先に潰れるな」

的確な意見である。
体育館は地震が来るとどこよりも先に崩壊する危険性がある。
ここで地震が来たらそこまでと割りきった柊沢は、迷わず体育館倉庫に入り込んだ。
そこにあったのは怪しげな箱である。
いかにも開けてはいけないと言わんばかりの箱で、お札みたいなものまで貼られている。
容赦なくお札を破いた柊沢は、雪の女王の仮面を片手で掴み上げた。

「これか。
・・・そういや、あの教頭がうちの担任は」

「柊沢、そこにいたか!!
ヤバいんだよ、外が!!」

慌てた柊沢は、仮面を鞄にしまいこんだ。
やってきたのは上杉のようだ。
いつになく真剣な表情をした彼を、同じく真剣な表情で見つめる柊沢。
真剣な表情なのだが、怒りの表情に見えるのは何故だろうか。

「どうした、上杉。」

「ま、街に・・・ゾンビが出てきて・・・・・・
い、いや。あ、悪魔が・・・・・・」
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