ロリポップメラゾーマ

□11.脆さの証明
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やまない雨を眺める。時には雷で驚くユウコ。
修道院にいた時も雷でビビっていた時期があった。
そんなときマルチェロは、オレをあえて外に出していじめていた。
お陰で今でも雷は好きじゃない。

「ねぇ、マルチェロさんがお金くれたんだ〜
なんか食べようよ〜」

「兄貴があげるって言ったのか」

「ううん」

「ならだめだ。
兄貴のことだから返せって言うぜ」

「ムッ。
いいもん。クロちゃんに泣きつくから。」

悪い娘だ。
代わりにオレが返すはめになるんだからな。
覚悟して金を用意せねば。
酒場にはいろんな奴らが来ていて、同じように雨宿りをしている連中がいる。
その中でポーカーをしている連中がいた。
今はカモにしてやる気か、バンダナをしたウェディに話しかけている。
バンダナをしたウェディはやる気もかまう気もないようだ。
ちょうどいい。

「あんたら、オレが相手しようか?」

「え、ククール!?
ポーカーやるの?いいけど負けないでね?
よーし、そこのバンダナウェディさーん。
名前は?一緒に見ようよ」

さらりとよく言えるよ。ナンパ以外でオレが話しかけるのもレアか。
だっていいカモがいるんだからいいだろう。

「・・・・・・ふん」

「何よ、言えないぐらい極悪人なわけ?」

「・・・・・・ヒューザだ」

「あ、アストルティア総選挙・・・・・・で1位だったあの・・・・・・
な、なんでもないです。
ヒューザさん、見ましょ見ましょ。」

これで負けたら恥だな。
ユウコのやつ、プレッシャーをかけるつもりで観客増やしたんじゃないだろうな。
イカサマする気十分だからいいんだけどさ。

「・・・あんた、この前ラッカランのカジノにいたか?」

ヒューザとやらが話しかけてくる。
野郎は知らないんだが、まあ答える。
見覚えないんだがな。

「この前っていつ?」

「本来ルーレットをやる台でポーカーを始めたやつだろ、あんたは」

オレは遡る。
あの日ラッカランのカジノでポーカーをした日のことを。
確かあれで戦った相手は・・・・・・
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