人々の女神
□27.アテナの後悔
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オレは手の中にあるものを眺めた。
アルゴンハート
こんなもの、もう不必要だ。
そう感じ、川になげようとした。
一瞬の躊躇いは長く短い月日を甦らせた。
「こんなもんも捨てらんねぇなんて・・・乙女か、オレは」
〜〜〜〜
ここはどこ?
ただただ暗い。
これが世に言う死後の世界。
重い闇だ。
おかしいな、私は存在しないのに。
涙の流せない、愛せない体に生まれた私は、
重い闇を感じることもないはずだ。
「今更後悔しても遅いのに。」
後悔・・・
ククールさんにぐらい、私の正体を明かすべきだったのか。
ただの無であったと。
無であるから、すべてを否定する。
私は・・・
無であるから、すべてを取り込んでしまった。
武器スキルがすべて習得できる理由だった。
私の本当の名前はクロノス(死神)
人が想像し作り出したもの。
ただの人形に過ぎない。