人々の女神

□19.ザオリク
1ページ/1ページ

最近のエイトはおかしい。

錬金に夢中になり我を忘れるのはいつものこと。
作ったアイテムを悪魔のしっぽでもとに戻すのはいつものこと。

しかし
宿屋でHP.MPが回復してないのはおかしい。
なにしてんだ、こいつは。

その疑問が解決するのはゼシカの疑問からだった。

「ずたずたに刻まれて、息絶えたらザオリクって効くのかしら。」

いきなり酷い話だ。
確かにそれでザオリクが効いたらかなり怖い現象が。
いや、ザオリクがある時点で怖いが。

とびついたのはエイトだった。

しかも、満面の笑みで。
待ってました!って言わんばかりに。

「その質問、アテナがするとばかり思ったのに。」

エイトが取り出したのは紙芝居。
な、なんのだ。

「ザオリク物語」

・・・?
え、今、なんて。

「はい、これは刻まれてたククールです」

紙芝居に描かれているのはモザイク。
これが、オレ?

酷い扱いだな。
つか、今ザオリク使えるのオレだが。

「ヤンガスが世界樹の葉を使いました」

ザオリクじゃねぇ!!
あくまでもザオリク物語だろ、それ。

「ククールが生き返りました。」

で、ゼシカの質問の答えは生き返るってか。
アテナが横で拍手している。

「いつその紙芝居用意した・・・」

「アテナは質問してくれることを期待して・・・夜な夜な作ってた」

「寝ろ。だからHP.MP回復してなかったのか!!バカか。
・・・てかまだ世界樹の葉とかザオリクなんか使ったことないぞ?」

うん、オレたちまだ倒れたことないから。

「ちょっとトロデお・・・なんでもない。ほら、効かないと詐欺じゃん。うん、そうしといて。」

・・・聞いてはいけない領域かな、これ。
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ