長編

□お前は俺の天使
1ページ/2ページ

三月SIDED

ここ最近練習の成果で周りのメンバーがどんどん成長している。それに比べてオレは・・・・
なんだかみんなより遅れている気がする。

「困ったなぁ・・・ここの部分がどうしてもみんなと合わない」

ステップステップくるんと回って前に出て・・

やっぱり皆の方が、認めたくないけど、足長いから、ここはもっと勢いよく飛ばなくちゃな・・・
くっそ・・・・今日はなんかいらつくし、うまくいかないし、なんか・・・辛い・・・
メンタルなんて弱ったことねーのに・・・

一人むしゃくしゃしてると
ノック音が聞こえて、誰かが入ってきた

「あ!!三月だ!!!だれかいるかなぁって差し入れ持ってきた!!!」
「名無し!!!めっちゃうれしい!!来てくれたんだ」

とことことこっちに小走りで走ってきてにこにこ笑っている。かわいいなぁ。見てるだけで癒される

「三月は偉いね。休日なのに練習?」
「ああ。どうしても腑に落ちないところがあってな」
「んー?どこどこ」
「ここなんだけど」

さっきからずっと研究しているステップを見せる

ぱちぱちと名無しが拍手をしてくれた

「すごいじゃん!!私そんな難しいステップできない!!ねね、教えて?」
「え?教える?」
「そうそう。三月の踊ってるところ見てたら楽しい気持ちになって、一緒に踊りたくなった!!」
「楽しい気持ち?」
「うん!!ずっとみてて思ったけど三月は人を元気にさせる力があるよ」

不思議だ。大和にもそういう風にいってはもらえたけど、やっぱり好きな人から言われると格別にうれしくて思わずにやけてしまう。

「いいよ!!まずはこうしてこう・・・」
「こうやって?!え?!こう?!」

ふらふらしながら危なっかしく踊るもんだからこっちは冷や冷やして見てられない

「こうすると気持ち楽に回れるよ」
「ふむふむ」

足が絡まりながらも、名無しは一生懸命汗を流してやっている。そんな素直でまじめなところが好きなんだよな・・・

「で、次はこうして回っt」
「うん!!まわっt・・・あわわわ!!!」

足を絡まらせて転びそうになる。
オレはためらわずに彼女を抱きしめて自分を下敷きにした。

「いってぇ・・・大丈夫か?!名無し?!」
「う、うん・・・!!ってああ!!三月!!怪我はない?!大事な体・・・」

慌てて横に避けておれの体に触れる。

「ああ、まったく大丈夫。それよりお前、ちゃんと食ってるの?軽すぎ」
「食べてるよ?いつもそうちゃんが作ってくれるから栄養満点!!」
「壮五・・・」

あいつがいない時でも名無しの中には壮五が存在しているのか?
なんか、ムカつく。今日は、むかつくことが多い・・・

「なぁ名無し」
「ん?」

おれは何を考えているのか、すぐ近くで座っている名無しを抱き寄せた。

「み、三月?」

動揺の声

「名無し。すっげー今日は気持ちが不安定なんだよ。お前はさ、やっぱり壮五が好きなのか?」
「好き?うん・・・好きといえば好きだけどそういう好きとは違うというか・・・」
「じゃぁさ、俺にこうやって抱きしめられても別に構わないんだよな?フリーなんだろ?」
「い、一応フリーだけど・・・・でも、大学に・・・好きな人・・・・いて・・・」

戸惑い、言葉を一生懸命選んでいる名無し。そういう優しいところも好きで、
名無しがもっとほしくなった

「いるんだ・・・でもさ、まだその男のものじゃないなら・・・こうしてもいいんだよな?」

やわらかそうな頬を両手で包む唇ではなく、頬にそっとキスをした
行動しないと何も変わらない気がしたから。

「み、三月・・・?!」
「お前のこと好きじゃダメ?」
「好きって・・・その・・・」
「女として」
「でも・・・私他に好きな人いるから・・・答えられn」
「俺に気持ち向かせる」

言葉を遮った。これ以上聞きたくない。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ