長編

□縮まらない距離
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「ひゃー!!!つっかれたぁ」



壮五「どうしたの?」



「いやぁアイドルの皆さんにあいさつしたから?かな?みんなかっこいいね!」



壮五「名無しは、また誰かにほれてしまったかのかい?」


「ん?まだまだ。相手のことよく知らないし!!」

壮五「そっか」

よかったと言いそうになるのを内に留めて・・・

「そうちゃんのお部屋は紫統一なんだね」


壮五「そう。それぞれにカラーがあるみたいで、センターの陸くんの部屋は真赤だよ」



「おお!!そうなのか。明日もレッスンだっけ?」



壮五「毎日練習だよ。そうでもしないとファンのみんなを喜ばせられない」



「そうかそうか。練習してる様子、私も明日みよーっと」

壮五「見るの?!」

「え、ダメ?」

恥ずかしいんだよな・・・絶対うまくできない・・・コケそう


壮五「う〜ん・・・マネージャーに聞いてくれる?」

どうせいいよって言うんだろうけど・・・


次の日、メンバー7人が集まって練習がスタートした

「うわぁ!!!みんなかっこいいね!!環さんってダンスうまいんですね!!」
環「ん・・・そっか?おれは昔から踊ってたから・・・」

少しにやけてる環君。彼にもそういう表情があるのか・・・

三月さんはなんだかいつもより気合が入ってるような・・・

「三月さんも小柄なのにすごいキレのあるダンス!!私には無理だぁ」
「本当?!名無しちゃんに褒められちまったよ」

嬉しそうに再びかっこつけて踊る三月さん

名無しは全員を褒めては、たまに「おー!!!」とか「すごーい」とか

ある意味メンバーの士気を高めたようだ。
「休憩いれてください!!」

マネージャーの一言で各々休憩を取り始めた。

「そうちゃんそうちゃん」
壮五「ん?」
「びっくりしちゃったよ。昔からそうちゃん呑み込み早いとは思ってたけどダンスも歌もすごい上手」
「そ、そんなこと・・・僕はまだまだ・・・」
「もっとそうちゃんのこと好きになったよ?かっこいいもん」
「す、好き?!」

それはどういう意味・・・?期待してもいいn
「親友としてますます好きになった!!もう尊敬できる相棒だね!!」
壮五「あぁ・・・親友・・・てか相棒ですか」

周りのメンバーがにやにやしている。三月さんに至ってはかなり嬉しそうだ。
三月「ねぇねぇ名無しちゃん。ジュースいる?」
「あ、いいんですか?ありがとうございます!!」
大和「思ったんだけどもう名無しもメンバーの一員のようなもんだから敬語じゃなくてもいいんじゃないか」
陸「そうだね!!オレたちのこと好きなように呼んでね」
三月「オレのこと・・・みつきって呼び捨てにしてもいいんだぜ?」
「したら、皆さんのこと呼び捨てにしちゃうかな」

いひひっと笑うと一人一人の名前を挙げていった。

「そうちゃんは今更壮五ってあれだからそうちゃんのままね」
壮五「まぁ・・・・そっちのほうが落ち着くかな」

「みんなこれからもよろしくね!!あ、三月、ジュース、ありがとう」
三月「お、おうよ!!」
一織「兄さん・・・顔赤いです」
三月「うるせーよ!!」

そろそろ休憩も終わる頃・・・

「これから講義あるから!!みんな練習がんばってね!!!」
三月「行っちゃうの?!」
「うん!!また夜にね」

三月さんがしょんぼりしている。
「そしたらね!!!」

早々と鞄を抱え名無しは大学へ行ってしまった。
その後、練習も終わって解散のとき

大和「はい!!全員集合」

突然の呼び出し。予想は大方付いている

大和「ソウに名無しについてきかないとな」
壮五「僕になにを聞くんです?!」
三月「実際のところ二人は親友なの?本当になんもしてないの?」
壮五「あたりまえですよ!!そんな関係じゃないし・・・」



ナギ「Oh!!ということは私にチャンスがあるということですね?」
壮五「え・・・」

不安が脅威に変わった

三月「確かに。二人に何もないとわかったのなら、いいよね?」
陸「ということはここにいるみんなは・・・恋のライバルでもあるの・・・かな?」
大和「お兄さんも実はああいう子好きなんだな。妹みたい」
環「暇な時・・・王様プリン一緒に食べに行く。あんたたちはついてこないで」
ナギ「タマキまでもライバル・・・Oh・・・名無しはやっぱり魅力的な女の子です」
壮五「み、みんなそれは・・名無しが困るんじゃ・・・」
三月「壮五はやっぱりいやなのか?」

にやにやしながら聞いてくる。もうみんな、僕の気持ちを知っているくせに・・・

壮五「い、いいんじゃないかな。名無しには幸せになってほしいから」

ほら…僕のいい子ちゃんになる癖が始まった。

三月「じゃぁ遠慮なく行くぜ?」
壮五「あ・・・うん」

甲斐性なし。本当は今ものすごく顔が青ざめているくらい、血の気が引いている。

名無しは押しに弱いから・・・これはまずい・・・みんなすごく個性があって魅力的だから・・・僕は・・・一番近くにいるはずなのに

親友のままなの・・・?

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