長編

□背中をおしてくれたのは
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ある日、僕はいつものように大学帰りに、趣味の音楽ショップに寄って新しい曲を仕入れていた。名無しの影響からかクラシックから邦楽までさまざま曲に興味を持つようになった。
今日もインディーズでいいものはないかと漁っていると、ふと視線を感じた。誰かに見られている・・・?

違和感を感じながらも外に出て歩いていると後ろから肩をとんとんされた。

「??」

何かと思い振り向けば、そこには人の良さそうなスーツのおじさんがいて
にっこり笑って話しかけてきた。

「君、アイドルに興味ない?」
「アイドル?」

また来た。最近よく声をかけられるのだけど僕にはそんな目立つことは無理だから・・・

「ごめんなさい。僕そういうの興味ないんで・・・・失礼します」
「いやいや。ちょっとそこでコーヒーでもどう?オジサンおごるよ」
「いや・・・本当結構です」

慌てふためく僕にしつこいおじさん。
断る、おごるから、断る、ちょっとだけでも!!

あまりに粘るものだから疲れてしまって
仕方がないから話だけでも聞くかと折れて喫茶店についていった。

「今ね、僕は7人グループのアイドルを作ろうと思っていてね」

そこから話は始まって聞いているとまだ出来立ての事務所らしく
僕より年下のマネージャーがつくらしい。

「君は素質があるよ。その容姿。湧き出てるオーラ。何より音楽好き」

どうかな?少し考えてみてはくれないかな?

「そんなものありませんよ」
「君のことをしばし観察させてもらったよ。音楽が好きで街ゆく人が君を見ては噂をしている。これが君の魅力。君は人を引き付ける力を持っているよ」

「僕を信じてついてきてみてくれないか。僕は君がほしいんだよ」
「そんなに・・・ですか?」
「うん。この目に狂いはない。君が必要だ。考えてくれるかな?」

その気迫に押されて僕は考えてみようという気持ちになっていた。

「わかりました」
「ありがとう。いい返事待ってるからね」


喫茶店をでて真剣に考える。


音楽は好きだし、歌うのは好きだけど・・・僕にそんな大きなことができるだろうか。
考えても想像つかない。
まして僕の崇拝しているTRIGGERのような、あんな輝いたスターになれるわけが・・・

「そーちゃん!!」
「名無し」

そこには学校帰りの名無しがいて、友達といるのにわざわざ僕のほうに来て、そうちゃんと帰ると言った
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