おそ松さん夢

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「えーと。どちら様かな?」
私は目の前にいる少年に声をかけた。
ダボダボの半ズボンとこれまたダボダボの黄色いパーカー。
なんとなくじゅーくんっぽいけど。

引き戸の動く音がしたから洗い物を片付けて居間に移動すればこの有様。
どういうことだ。


「僕、十四松!十四松だよ!」
私は目を丸くした。


「ごめんね。ちょっとトイレ...」
私はその場を離れた。
別に本当にトイレに行きたいわけではない。

「おーい!みんないないの!?おーーい!!」
とりあえず、いとこたちを探した。
部屋、屋根裏、トイレの中。押入れ。
どこにもいない!!
こんな状況耐えられない!

玄関まで行けば引き戸が動く音。

「おかえりおかえりおかえり!」
私はとりあえず帰宅した奴に抱きついた

「え、何、ドッキリ?」

「ドッキリなのかはこっちが聞きたいよ!おかえりイチくん!」
私は彼の靴を脱がせ、その辺に投げ捨てる
そして手を引いて居間に移動した


「何?茉莉の隠し子?」

「イチくん?殴られたいの?」
拳を見せれば彼は押し黙り、少年の方に向く

「十四松っぽいな。顔は」
自分の幼い日の顔を見ているようなもの。でもイチくん。瞬時に十四松と検討をつけた

「本人は十四松って言ってるけど、さすがのじゅーくんでも幼児化するなんて無理でしょ?...って!やだ!靴下泥だらけじゃない!」

よく見ればじゅーくんっぽい少年の靴下は泥だらけ。

「洗ってあげるからおいで。足も洗おうね」

「自分ででき......分かったー!」
元気にお返事したじゅーくんは靴下脱ぎ捨てて私に付いていく

「おい、何だ今の間は。十四松お前縮んだのは身体だけじゃないのか?」
するとじゅーくん(小)はイチくんを見つめ続ける
しばらくしてイチくんが目をそらした。イチくんはガタガタしながら別の方向を向く
じゅーくんは笑って私に行こうと促した


「ま、いっか。行こうねー」
頭を撫でればダボダボのパーカーをたくし上げ私の足に抱きついて来る。

かっわいい。くそう。
何でも許しちゃいそうだ。




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