おそ松さん夢
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「カラくんから聞いたわ。私達は普通の家に住んでいて従兄弟たちはニート?って職についてるのよね?」
扉越しにいるイチくん。
「職...。まぁいいや。クソ松はそう言ったんだ?まぁそんな認識でいい。」
あの後、イチくんの部屋に来た私達。
何を言うでもなく彼はウォークインクローゼットへ案内した。
私が今いるのはイチくんのウォークインクローゼットの中。
イチくんの匂いに包まれて少し嬉しくなる。
思わず口から笑がこぼれたようでなんで笑ってんの?と声をかけられた。
「イチくん...ううん。最近のこっちのイチくんはそっけないと言うかね、私のこと避けてるみたいだったからすごく嬉しい。」
「信じるの?」
「カラくんもイチくんもトドくんだって違う世界の記憶がある人って言われれば説明つく。イチくんは絶対に私が起きたらすぐそばにいるから。」
扉越しの会話。1つぶち壊せば文字通りお互いの懐に飛び込むことになる。
「こっちの茉莉も良かったじゃん。薬見つかって。生きれるし学校行けるよ」
「ありがとう。イチくん」
服を整えれば顔を合わさない会話は終わる。
扉を開ければ何も変わりない。私の優しい従兄弟が待っていた。
「とにかく、トド松とは2人きりにならないこと。流石にここで騒ぎ起こしたら元に戻った時厄介だ。」
「はーい。」
再び私の部屋へ向かい歩きだした。
「茉莉お嬢様!一松様!」
執事の蔵木が走ってきた。
「件のおフランス帰りの男性からの贈り物が玄関にございます。ご確認を」
「茉莉行こう。」
「うんー?うん。」
明日にはこっちにくるのに何故わざわざ贈り物をするんだろう...?
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玄関に来た私達は一喜一憂する従兄弟、兄弟を見て唖然とした
「パチンコ?卑猥な言葉が含まれてるね。茉莉には見せられないや」
雑誌?あと、大きな機械の処分を命令したおそくん
「...ト●クルーズモデルのグラサン...。」
なにやらサングラスをうっとりと見ているカラくん。
「アイドル?...実にくだらない。どうせ修正でしょう?見るに耐えない。」
かわいい女の子がたくさん載った雑誌を放り投げていくチョロくん。
「...野球かー。楽しそうだけど今はいいや。」
野球道具、あと砂が入った小袋。
特に興味はなさそう。
あの砂は何なんだろう...。
「お、おおお!女の子の連絡先!?しかもこんなに?おフランス帰りの人すごいわー」
と、トドくんはなにやらメモ用紙を見てニヤニヤ。
「一松様には煮干が...」
執事が桐の箱に入った高級感溢れる煮干を差し出してきた
「え、煮干?部屋に運んでおいて」
若干ニヤニヤ。
プレゼントは的を得ないものばかり。
そして、おそらくこのプレゼントを嫌がってる人が本当のいとこだ。
「執事、他におフランス帰りの男性からメッセージはないの?」
「お嬢様へのメッセージは『流行りの服は嫌いですか?』...と。」
朱色のワンピース?ドレスかな?
あまり趣味ではない。
残念だ。
「そして、趣味ではない贈り物は返品して欲しいとのこと。」
執事のひとことで、おそくん、チョロくん、じゅーくんは速やかに物品を返したのだ。
本当に興味ないんだね。
私は苦笑いしながらその様子を見ていた。