おそ松さん夢
□04
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「いってー...くっそ。何してたんだっけか。」
部屋を見渡せばいつもの光景
数多くの模型が置いてある。
自分の趣味だ。
関ヶ原の戦い、川中島の戦いの模型。戦艦の模型もちらほら。
金剛と比叡、あと駆逐艦の響と五月雨。正規空母の赤城もいる。
そしてすぐ近くの壁には真新しいスーツがかかっている。来月から公務員なのだ。 気を引き締めなければ
スマートフォンを見れば通知が何件か。...いずれも企業アカウントの宣伝メッセだ。
あー、とダルい声をあげてベッドから起きあがる。
汗をかいていたのかスウェットが汗くさい。
「くっせ」
カレンダーを見つめれば3月の9日
こっち来て2日か。
従姉妹は仕事だろう。なんたってバリキャリを目指してるらしい。
自分は住むところを決め、荷解きを済ませればまるでニートのような生活だ。
勤勉なところが取り柄って面接でも言ったのにな
とりあえず朝めしを食いに部屋を出る
リビングルームには小さめのテレビとローテーブル。
緋色のカーテンは従姉妹の趣味だろう。
台所に立てば清潔感あふれるシンクがある。ちゃんとしてないフリしてちゃんとしてる。もう少しモテてもおかしくは無いよな。
料理の腕が未熟な自分はTKGが精一杯。
ホカホカの白米に凹みを作り卵を上手く入れる。だし醤油を回しかければ白米の匂いと醤油の匂いが混ざりなんとも言えない高揚感。
良い具合に腹も鳴る。
手を合わせて、箸を真ん中の黄身に入れるぷっくりと溢れる黄身に食欲は倍増した。
トロリと白米を汚す黄身は醤油と混ざり変色する。かっこもうと器を持ち上げたその時、電気ケトルが音を立てた。
「味噌汁...」
合わせ味噌に具のついた即席味噌汁を入れる。
朝にはぴったりの香りだ。即席とはいえ、味はとても上品だ。
テレビをつければ朝の情報番組は終わり、主婦層の喜びそうな番組をやっていた。今回のテーマはウザい夫。その対処法とは?である。
「女怖っ」
何名かのタレントが自身の夫のグチを言う姿には正直ゾッとした。
朝めしを食い終わり、俺は再び
布団に戻って行った