おそ松さん夢

□02
2ページ/3ページ


「いらっしゃいま...茉莉ちゃん!?」
トドくんがお出迎えしてくれた。ってあれ?

「トドくんバイトしてたの?偉いね。スタバァなんてすごいじゃない。」
見る見るうちに青ざめていく彼は小さな声で呟く
「ね、ねぇ...兄さん達は?」

「呼んだか?マイブラザー...安心しな今回は俺ひとりだ。」

「うわああー!せっかく他の店舗に移ったのにーー!」
彼はゴキ退散と書かれた殺虫剤を今にもカラくんに向けて発射しそうだ。

「茉莉ちゃんどいてよぉおお!そのゴキにとどめ刺さなきゃ!」
キャラが崩壊してきた。私は黙ってキャラメルフェアリチーノを頼んだ。

「...そりゃ、バイト先とか学校に家族が来るのは好ましく思わないかもしれないけど今はお客様だよ?ね?」
千円札を置きながら私はトドくんに言う。ていうかトドくん顔。顔やばい。

「ほらカラくんは何がいいの?」
できればトドくんの顔から目を背けたかった。なのでカラくんの方を向く

「エスプレッ...ッハァ!!?」
注文をしようとした彼にメニューが突き刺さる。メニューの打撃を受け頬は赤くなる、どれぐらいの衝撃があればメニューが刺さり吹っ飛ぶのであろう。

「え、いや嘘だろ!カラくんんん!?」
私もつい、大声をあげた

地面に倒れ込む兄を踏みつけトドくんは「僕、もうじき休憩入るから座席で待っててよ。茉莉ちゃん」
この貫禄。しかも、あくまで私にだけ言ったようだ。

トドくんは怒らせたくない...。仲良くしておこう。心に誓う。

「トッティだぁれその人?」
店員さんがトドくんに話しかけた!
キャラメル色のポニーテールをなびかせる姿は同性の私でもかわいいと思ってしまう。

「あぁ、いとこだよ。就職を期に僕の家に一緒に住んでるんだ。」

「ほら、それよりフェアリチーノは?僕の身内でもお客様だよ?」
トドくんに言われると女の子は返事をして裏へ行った。
しばらくして私のフェアリチーノ、カラくんの桃ラチーノが手元に来た

「松野くん。休憩」
店長さんらしき人がやってきた。

「じゃあ少し待ってて茉莉ちゃん」
私は頷くしかなかったが、カラくんが見事なまでに空気化している。
意地でも兄弟には話しかけたくないみたい...でもトドくんってそんなに恥ずかしがり屋だっけか?

しばらくしてトドくんがやってきた。私は購入した珈琲に手をつける


「トドくんお疲れ様。あと何時間?」

「今日はあと3時間。もうひと頑張りだ!」

「ちゃんと仕事してるようで何よりだぜブラザー」

「なんでお前は居るんだよ」

「あ...はい。すいません。」
辛辣すぎる兄弟の会話。しかも謝ってるの次男。強いの末弟。

「なんでそんなカラくんに辛辣なの?」

「...茉莉ちゃんも聞けば分かるさ。」
私はちがう店舗で働いていたらしいトドくんがなぜこの店舗にやってきたかの経緯を聞く

「...カラくん達そんなことしてたの!?信じられない!わざわざ社会に踏み出した兄弟、しかも末弟の足引っ張ったりしないよね!?」
私はつい、カラくんへ怒りをぶつけた。

「お、俺だけじゃない!」
確かに。この話を聞く限り悪いのはほかの兄弟...でもみんなコーヒー口から垂れ流ししたんだよね?

「次男でしょ!?止めなさいよ!」

「いや、一松が...」

「カラ松兄さん一松兄さんに弱すぎでしょ!?...以上、僕がこの店舗に移動願いを出すまで。でした」
頭が痛い...本当にコイツら私より年上なの?

「にしてもトドくん偉いね。こんな兄弟ばかりの中バイト始めるなんて」

「トド松の目標は中古になることだ。」

「は?」
カラくんの言葉に疑問

「否、合コンだ。」

「...それでも働いてない君らよりはずいぶんマシだよ」
私はため息をつきながら言った。

「トッティ〜慶応誰かいい人いる?1人足りないって言ったよね?」
さっきの子とはちがう女の子が話しかけてきた。
ていうか慶応?

「...ああ、でもこの話は後でね。」

「期待してるね。慶応の男子!」

ピーン!..事態を把握したぞ

「トドくん...それはいけない」

「何が!?」
何か心外そうに彼は私を見た





次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ