おそ松さん夢
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「もう茉莉は僕のだよね?」
朝を迎え、彼の第一声はそれだった。
涙がまた溢れてくる。
「出ていって」
私は無防備な廊下へ続くふすまを指さした。
イチくんは大人しくその言葉に従おうとしたのだろう。立ち上がった。
「茉莉...何考えてるか知らないけどさ、僕らを引き裂こうとするのは辞めてよ。僕はアイツでアイツらは僕なんだよ?」
そうだ。彼を警察に連れていこうとすればこの家の今まであったものが崩れてしまう
「それに、カラ松兄さんも自分と兄弟を判別できない子を今さら好きになるとは思わないけど?」
彼はそう言いながら着ていた服を拾い上げて部屋を出た。
誰がこんな展開を考えただろうか
私にとっては地獄でしかない。
「...しにたい」
久々にカーテンを開け、窓の外を眺めた。
11 僕らは六つ子。見分けなんてつかない