先生との小説
□先生が満たしてくれる
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「○○」
私を生徒として呼ぶ先生のその言葉は、毎回
生徒としてではなく、
女として、こっそり心に甘く響いていた。
私は特別頭が良いわけでも
容姿が大人っぽく色気があるわけでもない。
男性経験も人並み…
こんな普通の女子高生の私が、
都合良く既婚の牧田先生の目に魅力的に映るわけがない。
ましてや教師と生徒なんて、高望みしてはいけないのだ。
だから私はよく友人と一緒に理由をつけては職員室へ行ったり、
牧田先生の教科をがんばったり、せめてもの好感度を上げようと日々努力していた。
夜、牧田先生を思い出しては1人自分を慰めてから朝を迎える事もあった。
こんなこと、だれにも言えない。
先生を考えてこんなことしてるなんて…
私の中での牧田先生との恋愛は、
清純なものばかりでなくて
だいぶいやらしいのである。
そんな気持ちで朝の支度をし、
期待をふくらませ家を出た。
おはようございます、と声が聞こえる。
校舎前には毎朝、うちの学校の教員たちが数人立っている。今日牧田先生は、いない。
今日の放課後に牧田先生と2人で個人懇談がある。
担任の先生でなくても頼めば進路の相談や、生活の相談にも乗ってくれるのがこの学校の良い所だ。
先生と2人になりたくて、今日の放課後に予約したのだ。
靴を履き替え、階段をのぼると
後ろから大好きな声が聞こえた。
「○○おはよう」
「あっ おはようございます」
不意だったから、少し声が裏返ったかもしれない。
そんなことを考えるが、牧田先生が口を開く。
「今日の放課後は進路指導室に行っててね。俺は多分後から来るから本でも読んでて」
「はーいわかりました。よろしくお願いします!」
「じゃあまた」
私と先生はどちらかというとフレンドリーで、内心緊張はしているが、会話の雰囲気に緊張は生じない。
私は放課後の懇談を楽しみにしながら1日の授業に勤しんだ。
キーンコーンカーンコーン…
4時になった。
いつも一緒に帰る友人に断って
1人進路指導室に向かった。
ガラガラ
教室に入るがやはり、まだ誰もいない。
私は荷物を床におろし、来客用であろう3人掛けソファに腰をおろした。
「ふぅ〜、まだ先生来ないみたいだし、テキトーにゆったりしてよっと」
こっそりケータイを開くが、
なかなか落ち着かない。
誰もいない部屋に1人置かれると性欲が湧いてくるというのが、
女子高生の性である。
これから牧田先生が来るというのだから、なおさらである。