**頂きモノ**
□*君想ウ*
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雪が積もる―――
僕の胸に、君の胸に―――
ザクッザクッ―――
雪を踏みしめる音が響く。季節はもう、12月の終わり。“今年”も残す所、あと僅か―――
『あ!獄寺君!!』
「!?…ちっス。十代目
別に待ち合わせをしてたワケではない。たまたま、偶然に出逢逢えた二人―――
『今日は冷え込むね…』
「雪…降ってますもんね」
『だね』
屈託のない、笑顔。“十代目”と呼ばれた少年は、呼び名に似合わずに、それは清らかな顔で笑う―――
「…十代目は、今からどちらへ??」
その笑顔がまた“獄寺”と呼ばれる少年に“十代目は自分が守るべき者”だと印象付ける―――
『いや、帰りなんだ。オツカイ頼まれちゃって』
「そうでしたか」
『ホントにもう…。人使いが荒いんだよ!!リボーンは(怒)』
文句をつけながらも、頼まれ事をやってのける少年は心が清く出来ているのだろう。そそれとも、ただのお人好しか―――
(どちらにしても、このお方の、お心は何としてでも折れさせてはならない)
それは彼の新たな決意。
――本当は、このまま何処かへ隠して置ければと思う。
隠して、誰の目にも触れさせず、世の汚いモノを見せずにいられたら―――
(なんて、出来るワケねぇのに、な………)
『獄寺君??どうかしたの?』
「いえ…、何でもありません。気にかけて頂いて、恐縮っス!!」
『そ、そんな!!かしこまらないで!!』
「いえ、十代目に気を遣わすだなんて、俺は未熟者です!!」
『だから〜。気にしないでよ。友達でしょう??』