**頂きモノ**

□*君想ウ*
1ページ/2ページ

雪が積もる―――
僕の胸に、君の胸に―――

ザクッザクッ―――
雪を踏みしめる音が響く。季節はもう、12月の終わり。“今年”も残す所、あと僅か―――

『あ!獄寺君!!』
「!?…ちっス。十代目

別に待ち合わせをしてたワケではない。たまたま、偶然に出逢逢えた二人―――

『今日は冷え込むね…』
「雪…降ってますもんね」
『だね』

屈託のない、笑顔。“十代目”と呼ばれた少年は、呼び名に似合わずに、それは清らかな顔で笑う―――

「…十代目は、今からどちらへ??」

その笑顔がまた“獄寺”と呼ばれる少年に“十代目は自分が守るべき者”だと印象付ける―――

『いや、帰りなんだ。オツカイ頼まれちゃって』
「そうでしたか」
『ホントにもう…。人使いが荒いんだよ!!リボーンは(怒)』

文句をつけながらも、頼まれ事をやってのける少年は心が清く出来ているのだろう。そそれとも、ただのお人好しか―――

(どちらにしても、このお方の、お心は何としてでも折れさせてはならない)

それは彼の新たな決意。
――本当は、このまま何処かへ隠して置ければと思う。
隠して、誰の目にも触れさせず、世の汚いモノを見せずにいられたら―――
(なんて、出来るワケねぇのに、な………)

『獄寺君??どうかしたの?』
「いえ…、何でもありません。気にかけて頂いて、恐縮っス!!」
『そ、そんな!!かしこまらないで!!』
「いえ、十代目に気を遣わすだなんて、俺は未熟者です!!」
『だから〜。気にしないでよ。友達でしょう??』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ