短編小説

□ああ、いとしの…
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いつもと変わらない日常

いつもと変わらない風景

そして、いつもと変わらない真選組屯所


そんな変わらない日常の中

ふと目にした紙に目を止めた


いつもなら気にもならないそれは、コンビニのフェアを知らせるチラシ



ハロウィン近くだからか、カボチャの商品を中心に
コンビニ内のオススメチキンやらコーヒーなどが載っている


だが、そのフェアの内容には目もくれずに土方は下に書かれた文字を凝視していた


そこにはこう書かれている


“コンビニ限定!!
マヨネーズをコンビニでお買い上げのお客様にもれなくコンビニ限定でマヨリーンストラップをプレゼント!!
マヨラーの君!今すぐコンビニに急げ!!”


マヨリーン
それは、マヨネーズの妖精
至極のマヨネーズを生産させている愛らしいオッさん天使だ


マヨネーズ愛に生きてる俺が……

なんでだ?なんで俺はこいつの存在をしらねぇんだ?
マヨネーズは3食に一本どころか、いつでもマヨ補給出来るように持ち歩いてるってのに…



もう一度チラシを見直す
そこで、土方は気づいた

これはコンビニ限定だということを


コンビニは、よくフェアをしているもんだ


1番クジの景品とかもよく月ごとに変わるように、このストラップもその時のフェアに違いない


最近、書類整理やら攘夷獅子の関係でゴタゴタしてたぶん、コンビニには足を運んでねぇ……


この紙も山崎に買い出しを頼んだ時の袋に入ってたもんだしな




そう、ふと思いだして土方は立ち上がる


とりあえず、今日は急ぎの書類整理もねぇしこうなりゃ善は急げだ



「山崎ぃ!!」



そう怒鳴りながら自室の戸を開けると山崎が私服姿でちょうどミントンをふっていたらしく条件反射で背中に隠しながらビビる


「え!?はい!!あの、なんですか副長?俺、今日は非番なんですけど、何かやらかしましたっけ?」


そう、焦りながらいう山崎


その山崎に近づきながら一言
コンビニに行ってくるとだけ言うと、土方は山崎の所をあとにする


置き土産に最大級のゲンコツをお見舞いして



「ッいッッッッッッッッッちょ!副長!俺、なんで殴られたんですか??ねぇ、ちょっと、副長??副長ぉ!?」




涙目になって頭をさすっている山崎を振り返ることなく
土方は足早にコンビニに向かった
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