★乃木四六★

□Good Night
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「ななみん、電気消していい?」

「いいよー」

「じゃ、おやすみー」

「うん、おやすみー」



根が真面目な私たちは翌日朝早くから仕事がある日は “しない” という暗黙の了解がある。
私は全然してもいいんだけどまいまいの意思がすごく硬いように見えるので私から誘うことはしない。
おやすみの挨拶はその念押し。



相手の睡眠を妨げないようにお互い何もしゃべらなくなり、静かな時だけが流れる。



明日ちゃんと起きれるかなぁ。
といってもどうせ起こしてもらうんだろうけど。
情けない。



ぼーっと天井を眺めてたらまいまいが布団の中で手を重ねてきた。



私の右手が、まいまいの左手に包み込まれる。


優しくてあったかい手。


なんだか心までまいまいの優しさに包み込まれた気がした。
お母さんに甘える赤ちゃんみたいに、自分の全てを肯定してくれる安心感に泣きそうになる。

まいまいは私のことをこんなに癒してくれるのに、私はまいまいに何か与えられてるのかな…



申し訳ない気持ちでいっぱいでいるとまいまいが寄り添って顔を近づけてきた。



「ななみん、今何考えてた?」



不意打ちの質問に答えに窮した。



「私はね、ななみんに出会えて本当に良かったなって考えてた。ななみんといるとね、不思議と気持ちが楽になってすごく安心する。とにかく幸せなの」




それはこっちのセリフだよ。
そして私にそんな力なんてない。




「ななみんとずっと一緒にいたいな…」



堪えきれずに涙がボロボロこぼれだす。

愛おしすぎて、強く抱きしめた。





「ななみん…?」




「同じこと考えてたよ、同じこと…」




鼻水をすすったらまいまいに泣いてたことを気づかれた。


「ななみん、泣いてるの?」


まいまいが涙をぬぐってくれる。


「ゴメンね、嬉しくて…」



「本当?なんか私まで泣きそう笑」





あなたは泣かなくていいよ、ずっと笑っててほしい。





「好きだよ、まいまい」





そっとキスをする。
今までで一番長いキス。
ありがとうって、感謝の気持ちを込めたキス。





「もう寝なきゃね。おやすみ、ななみん」





今日はキスだけ。
身体を重ねなくても、十分すぎるほど幸せだ。
やっぱ聖母様ってすごい。




おやすみ、まいまい。





END.

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