楠雄夢小説 ★完結★
□修学旅行
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飛行機内でも色々あったが、なんとか2人で力を合わせ乗り越えていった。
照「まだ時間あるよ!」
夢「お土産みにいこー!」
目「お土産!試食あるかなぁ?」
蛍「多分あるけど、全部食べたらダメだよ?」
目「わかってるよぉ〜!さっ行こ行こ!」
バスの集合時間まで各々時間を潰し、ホテルへと向かった。
そしてその日の夜。
目「そういえば照橋さんは?」
蛍「あれ?」
夢「ちょっと外に行ってくるって行ったっきり帰ってこないね。」
心配なので探しに行こうと外に出る女子達。
蛍が千里眼で探すと、どうやら日本ではない森にいるようだ。
蛍「えっ!?」
夢「どうしたの?」
蛍「い、いや。何でもないの。」
何とか助けに行こうと瞬間移動できる場所を探そうとする。
するとその時、楠雄からテレパシーがくる。
楠《悪いんだが、どうやら僕はおねちょをしてしまったようなんだ。》
蛍《え?オネショ!?》
楠《違うっ!寝ている間に勝手に超能力が働いてしまったようなんだ。》
蛍《あ、あぁ。私も昔あったな・・・。》
楠《一つは解決したんだが、まだ一つ解決していない。》
すると、前の方でこんな所にいたのー!?と声がする。
そこには森にいるはずの照橋が立っていた。
蛍「あ、あれ?」
楠《それは鳥束だ。照橋さんの姿に見えるようにしている。これでしばらく時間が稼げるだろ。とりあえずこっちに来てくれないか。》
蛍《う、うん。》
鳥「ぐふふ。女子の部屋に普通に入れる日が来るなんて・・・。」
そんな一言をボソッと言う鳥束。
何をするかわからない鳥束に蛍はテレパシーを送る。
蛍《・・・ちょっと、鳥束くん。》
鳥《は、はい!!!あ・・・なんだ蛍ちゃんか。今から斉木さんのところに?》
蛍《うん。だから、私が帰って来るまでみんなに変なことしたら・・・。》
鳥《わ、わかってるって!そんなことがバレたら斉木さんに何されるか・・・。》
怯える鳥束にとりあえず安心する蛍。
鳥束を部屋に連れて行くと、先生に照橋が見つかったと言ってくると言って、楠雄のいる場所へと瞬間移動する。
するとそこには腕を組んで座る照橋と楠雄の姿があった。
蛍「あっ。」
照「え、佐能さん?どうしてここに。」
蛍「え、えっと。その・・・。」
楠《落ち着け、照橋さんはこの状況を夢だと思っている。》
蛍《そうなの?》
楠《今、僕の制御装置を照橋さんが持っている。そのせいでうまく力が制御できないんだ。》
確かにいつも頭にある装置が一つ無くなっていた。
楠《このまま動けば、照橋さんが夜空彼方へ飛んで行ってしまう。》
蛍《そ、そうだね。》
蛍は照橋の前に座る。
蛍「照橋さん。そのピン返してくれない?斉木くんが困ってるみたいなの。」
その言葉に手に握るピンを見る照橋。
照「これのこと?」
蛍「うん。」
すると照橋は装置をぎゅっと握りしめ、後ろに隠す。
照「ダメよ!これはあとで私が返すから・・・だから・・・。」
楠雄の腕をぎゅっと握り、蛍の目をまっすぐ見る。
照「だから、邪魔しないで!」
蛍「えっ・・・。」
その言葉に蛍は気がつく。
蛍(照橋さん・・・斉木くんのこと好きなんだ。)
胸のあたりが痛くなる蛍。