桐生夢小説

□引越し
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お風呂も入り歯磨きもし、あとは寝るだけだ。

芽「あ、桐生さん!急に泊めてもらっちゃってすみません。」

桐「あ、あぁ。」

不自然な桐生。

芽「・・・どうしたんですか?」

桐「その・・・寝れる場所が限られててな。」

芽「そんなのどこでもいいですよ!」

桐「・・・俺の部屋なんだが。」

芽「え!?」

桐「・・・い、嫌だよな。なら俺は廊下で寝るから、芽依は部屋を使うといい。」

芽「そ、それは出来ませんよ!私が廊下で寝ます!」

太「廊下で寝られたら夜トイレに行けないだろー!」

芽「あっ・・・そうか。」

桐「・・・。」

芽「・・・。」

黙り込む2人。

芽「・・・わ、私は・・・いいですよ。」

桐「え?」

芽「・・・その、急に泊めてもらってるのに文句は言えませんから。」

桐「・・・すまないな。離れて寝るから・・・。」

芽「は、はい・・・。」

2人は少し気まずい。

子供達は眠ったが、2人はなかなか眠れなかった。

芽(き、桐生さんと同じ部屋なんて・・・。)

布団に入ってはいるが、心臓がバクバクしてなかなか眠れない。

ふと桐生の方を見ると、桐生も同じ行動をしていた。

芽「ひっ!ご、ごめんなさい!」

桐「い、いや。俺こそすまない。」

再び静まり返る。

芽(ううう!こんなの眠れないよ!)

すると桐生が背中越しに話しかけてくる。

桐「芽依・・・。」

芽「は、はい?」

桐「引越しはいつ終わる予定なんだ?」

芽「あ・・・実は真島組の方達が引越しを手伝ってくれて、今沖縄に向かってきてくれてるんです。」

桐「真島組か・・・。」

芽「はい。着く頃がわかったら連絡くれる約束なんですけど、何から何まで真島さんにはお世話になって。」

桐「・・・。」

芽「感謝してもしきれないんです。」

桐「・・・そうか。」

芽「真島さんがいなかったら私。」

セリフの途中で背中から温もりを感じた。

芽「えっ・・・。」

芽依の体を優しく包み込む桐生。

鼓動はさらに速くなった。

芽「き、桐生さん・・・。」

桐「・・・芽依。」

すると、ガラッと部屋のフスマが開かれる。

泉「芽依お姉ちゃん・・・おトイレついてきて欲しいの。」

2人は慌てて離れる。

芽「泉ちゃん!?わ、わかった!一緒に行こうか!」

泉「うん。」

桐「・・・。」

桐生は布団にくるまり何も話さなかった。

泉を寝かせて部屋に帰ると、桐生は自分の布団に戻っていた。
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