桐生夢小説

□引越し
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どんどん歩く桐生に必死について行く芽依。

何も言わないが、恐らく怒っているのだろう。

芽「き、桐生さん。大丈夫ですか?」

桐「・・・。」

芽「私に何かできる事があったら。」

すると急に止まる桐生。

ドカンと背中にぶつかってしまった。

芽「痛っ!」

桐「芽依。」

芽「え?あ、はい。」

桐「カラオケに行くぞ。」

芽「か、カラオケ?」

気がつくと目の前にはカラオケがあった。

芽「あ、いつの間に・・・って、ちょっと桐生さん!」

桐生は芽依の手を引っ張りカラオケへ入っていった。

芽「・・・。」

桐「・・・。」

桐生はリモコンと睨めっこをしていた。

ピピピピピピ!

何か曲を入れる桐生。

神室町雪月花だ。

桐「花が咲きても花が散るとも、眩しい雪月花〜。」

歌を歌うとすっきりした顔をする桐生。

芽「プッ・・・ふふふ!」

桐「何笑ってんだ。」

芽「いや、ストレス発散するにしてはしっとりした歌だったので。」

桐「・・・悪かったな。」

芽「ふふふ!ごめんなさい!桐生さんらしくていいと思います。」

桐「・・・芽依だったらどんな曲歌うんだ?」

芽「そうだなぁ、例えば!」

そういうと芽依は、きっとChange myselfを入れた。

芽「信じて今、レッツチェンジマイセ〜ルフ!」

歌い終わると桐生は拍手をした。

芽「桐生さんの合いの手のおかげでノリノリで歌えました!」

桐「その歌、遥も好きでな。良くこうやってるんだ。」

2人は他の曲も歌い楽しい時間を過ごした。




芽「あー!歌った歌った!」

桐「付き合わせて悪かったな。」

芽「いえ!桐生さんもスッキリした顔してるし、よかったです!」

桐「ふっ。」

桐生は歩き出そうとするが、途中で固まってしまった。

芽「ん?桐生さん?どうしました?」

桐「・・・食事当番なの忘れてた。」

芽「え!?」

桐「遥と交代で作っているんだが・・・今からじゃ間に合わないかもしれない。」

時計を見ると17時だった。

芽「夕食は18時ですよね?急げばまだ間に合いますよ!」

桐「い、いや。俺の手つきじゃ材料を買って帰って、飯を作って・・・恐らく終わるのは20時になってしまう。」

芽「え!?」

桐「・・・仕方がない。弁当でも買って済ませるか。」

芽「・・・私に任せてください!」

桐「え?」

芽「お弁当なんて偏った食事、あの子たちに食べさせられませんから!」

桐「だ、だが。」

芽「食費はどのくらいですか?!」

桐生はポケットに入っていた食費を取り出す。

芽「これが今日の分ですね?」

桐「・・・あぁ。」

芽「じゃあ、私は材料を買っていきます!桐生さんはアサガオに帰ってお湯を沸かしておいてくれませんか?」

桐「・・・わ、わかった、すまないな。」

桐生は食費を芽依に渡し、アサガオへ帰っていった。
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