桐生夢小説
□覚悟
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しばらくすると桐生と伊達がやってくる。
「お待ちしてました桐生さん。」
桐「遥は無事なんだろうな。」
「ええ、遥さんは無事ですよ。」
そういうと奥から遥が連れられてくる。
伊「くそ!」
伊達が遥を救おうと走り出すが、拳銃を向けられてしまう。
伊「っち!」
桐「一輝たちはどうした。」
「別室です。縛るくらいはしてますが、無事ですよ。」
伊「何者だお前ら!」
「それはやめておきましょう。お互いの為です。それより、お嬢さんが持っていたはずのペンダントは?」
桐生はペンダントを差し出した。
「お渡し願います。」
桐「渡せば遥を返すんだな?!」
「もちろんです。ただし、ペンダントを渡さず遥さんを連れて行けば・・・こうなります。」
遥の前に何かが投げられた。
桐「・・・芽依?」
伊「お前!!芽依を撃ったのか!!」
「ええ。私はこの子を使って、桐生さんと取引がしたかっただけ・・・。それなのに彼女が暴れ始めたのでね。やむおえず・・・ですよ。」
桐「芽依!!おい!しっかりしろ!」
大きな声で呼ぶが、なんの反応もない。
「最初は素早い動きだったんですがね、途中からどうも調子が悪そうで。」
桐「・・・。」
伊「真島と戦った後なんだ・・・くそ!」
「おい。」
遥は男の合図で離される。
遥「芽依さん・・・。」
「さっさと行ってください。」
目の前に倒れる芽依を気にしながらも、ゆっくり桐生の方に向かう。
「ストップ。そこで止まってください。ペンダントをこちらに投げてください。」
桐「遥・・・すまない。」
首を左右に振る遥。
思いっきり投げる桐生。
投げたと同時に伊達が走り出す。
遥を抱き上げる。
すると、銃を向けていた男は引き金を引こうとする。
伊「くそ!」
伊達は遥を連れ階段から飛び降りるが、銃口は遥を狙っている。
芽「はいっ!!!」
芽依は拳銃を蹴り上げ、男を殴り倒す。
桐「芽依!」
ペンダントは男がキャッチをする。
桐「こっちにこい!!」
芽依は階段を飛び降り、遥達の元へ着地した。
芽「ぐっ。」
傷口から血が噴き出し、その場に倒れてしまう。
遥「芽依さん!」
芽「遥ちゃん・・・怪我はない?」
遥「私のせいで・・・ごめんなさい!」
無事そうな遥を見て微笑む芽依。
桐「伊達さん。遥と芽依を頼む。」
伊「・・・わかった。」
遥を抱き上げ、芽依に肩を貸す。
芽「ううっ。」
伊「しっかりしろ!」
伊達は芽依をすぐそこの柄本医院へ連れて行った。