土方夢小説

□真実
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琴「なんで・・・わかったの。」

銀「同級生を忘れるわけないだろ?」

琴「・・・。」

琴はうつむく。

銀「最初に見た時お前だってなんとなくわかった。あれから何してたんだ?」

琴「・・・銀時くんには関係ないでしょ。」

銀「まぁ、関係ないっちゃないけど。ずいぶん笑うようになったなと思ってな。」

琴「・・・あれは情報を得るため・・・仕方なく笑ってるのよ。」

銀「情報?」

琴「・・・重森組・・・知ってるでしょ。」

銀「あぁ。ジミーが言ってた犯罪グループだっけか?」

琴「そう。・・・そのトップは私の父親。」

銀「・・・。」

琴「あいつは・・・母さんを殺したの!」

銀「・・・お前の母さんは強盗たちに殺されたんだろ?」

琴は唇をぎゅっと噛む。

琴「・・・私も・・最初はそう思ってた。」

琴は当時を思い出す。




いつものように家族三人で夕食を食べる。

母『さぁ、ご飯できたわよー!』

琴『わーい!!』

父『お腹ぺこぺこだぜ!』

いただきまーすと食べる三人。

すると、ガタガタと外から音がする。

父『ん?なんだ?ちょっと見てくる。』

母『気をつけてよ?』

父『あぁ。』

そして父親は玄関を開ける。

父『な、なんだお前ら!!』

母『あ、あなた!?』

そんな声に母親が玄関へ向かう。

それに続いて琴もリビングから顔をのぞかせる。

琴の目に映ったのは、刀で斬られる母親の姿だった。

琴『おか・・・あさん。』

すると、刀を持った男の後ろからナイフを持った男がやってきて琴を刺す。

琴『うっ・・・。』

琴は涙を流しながら倒れる。

父親もその場に倒れるのが見えた。

琴『お父さん・・・お母さん・・・。』







目がさめると病室だった。

琴『う、うーん。』

隣には父親が眠っていたが、母親の姿が見当たらなかった。

『あ!琴ちゃん!?よかった・・・今先生を呼んでくるから!』

看護師が慌てて先生を呼びに行く。

幸い、父親と琴は急所を外していて一命をとりとめたようだ。

しかし、母親は残念ながら命を落とした。

琴『うううう。お母さん・・・。』

父『ごめんな・・・母さんを守れなかった。』

そういう父親に抱きつく琴。

そして、2人の生活が始まった。

そんなある時、父親が家の裏で誰かと話しているのが聞こえてきた。

琴『話すなら中で話せばいいのに。』

呼ぼうと勝手口のドアノブに手をかけた時だった。

父『だから言っただろ!!刀でぶった斬れって!!』

『す、すみません!』

父『たっく。保険金は貰えたからよかったが・・・娘だけ残っても邪魔なだけだ。』

琴『!!』

琴は涙を流す。

そして、剣道家だった母親の刀を持ち1人村を出ていった。
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