土方夢小説
□暁
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鳳「母親ごっこはもうおしまいだ、日輪。薄汚れた遊女が、母になれるわけでもない!それを証明してやる。そのわっぱを・・・殺してな。」
琴「ダメェ!」
神威「・・・やれやれ、ここまでお熱とはね。我が師匠ながらとんと呆れますよ。8年前から何にも進歩していないようだ。」
鳳「・・・・。」
神威「遊女を傷物にし、物としての価値を奪ってもなおそばに置いておくとは・・・旦那どうやらあんたにとってあの女は、道具としてではなく1人の女として必要なものらしいな。」
鳳「ふふふふ。必要な物?何をぬかすかと思えば、むしろその逆だ。これまでわしはこの力で、金も権力も女も好きに手に入れてきた。」
琴「・・・。」
鳳「だが、このわしにも1つだけ手に入れられない物がある。この野望を持ってしても、屈せざるおえない相手が・・・わしは、こんな地下にまで追い込まれ逃げ込んだ。」
神威「・・・。」
鳳「だが奴はこの常闇にあっても変わらぬ姿で存在しているのだ。わしにとっていや、夜兎にとってもっともいるべき存在、唯一無二の天敵。そう、太陽が!」
晴「・・・。」
鳳「どれほどの苦難にあっても決してその瞳は光を失うことはない。どれほどに苦界に身を落とそうと決してその魂は落ちることはない。その気高き姿は、まさしくあのいまわしき太陽。」
琴「・・・・。」
鳳「太陽を地に引きずり落とす!死をもってではない。あの気高きたましいを引きずり落とし、我がまえに日輪を屈服させる!泣きわめき、わしに助けを乞うまで追い詰める!太陽を手に入れる!お前はわしのものだ!!」
晴「沈められるものなら、沈めてみろよ。たとえお前が何度太陽を沈ませようと、空が晴れている限り太陽は昇る!たとえお前が母ちゃんの顔を曇らせようと、おいらが笑顔に戻す!何度でも!」
琴「晴太くん・・・。」
晴太は歩けない母親を背負い歩く。
そんな晴太を殺そうと鳳仙が動く。
その時、くないが飛んでくる。
鳳「貴様ら!なんの真似だ!この夜王に謀反を起こそうというのか?!」
「わっちらは知らん、悪い客に引っかかっただけじゃ。吉原に太陽をあげてやるという大ホラを、寝物語で聞かされた。ほら、あそこでノビている奴じゃ。この大ホラ吹きめが!!」
そう言って銀時にくないを投げる。
琴「銀さん!!」
しかし、それを指で受け止める銀時。
銀「ホラなんざ、ついちゃいねえよ。太陽ならあがってるじゃねえか。そこかしこにたくさん。」
血だらけの体を起こし、鳳仙と戦おうとする銀時。
神威「立った立った!あはは!まだやるんだ。」
そんな銀時を支えようと一歩踏み出す琴。
神威「おっと、君の相手は僕だよ?」
そう言って攻撃をしてくる。
琴「うっ!」
神威「君、中々やるから楽しいよ!」
琴「ふん。私も久々よ、こんなに手応えがある相手は!!」
2人は戦い続けた。