真田夢小説(ハム子)★完結★

□別れ
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公子はコロマルの散歩を真田と一緒にしていた。

いつものルートの長鳴神社へたどり着いた。

真「ハァ・・・お前に任せて走るだけでもいいトレーニングになるな。」

コ「ワン!!」

公「ハァハァ・・・ちょ、ちょっと休憩・・・。」

真「こんなんでバテるなんて、まだまだだな。」

公「ずっと走ってて疲れない先輩が化け物なんです!」

疲れたーとベンチに座る公子。

その隣に真田も座った。

コ「ワフッ!!」

コロマルは楽しそうに砂場で遊ぶ。

真「あんまりゴロゴロするなよ。洗うの大変なんだからな。」

コ「ワンワン!!」

公「ふふっ。」

真「昔、捨て犬を拾ったんだ。だが、孤児院じゃ飼えなくてな。」

公「えっ、それじゃあ。」

真「いや・・・飼えなくてもいいが、また捨てるのは嫌だって事になってな。なんとか飼ってくれるところを見つけたんだ。」

公「そうなんですね、よかった。」

真「・・・シンジが来たせいか、昔のことを色々思い出すよ。」

公「いい思い出ですか?」

真「まぁ、今思えばいい思い出だな。」

真田は公子を見る。

公「・・・な、なんですか?」

真「その・・・お前はシンジといて楽しいか?」

公「えっ・・・はい。楽しいです・・・けど。」

真「そうか・・・。」

公「で、でも・・・。」

真「ん?」

公「こうやって真田先輩と・・・一緒にいれて・・・。」

真「・・・。」

見つめ合う2人。

公「私・・・嬉しいです。」

コ「ワフッ!!」

真「おわっ!!」

突然現れたコロマルに驚く真田。

真「な、なんだ。もう満足したのか?」

コ「ワン!」

公「・・・じゃ、じゃあ・・・帰りましょうか。」

真「そ、そうだな。」

2人が寮に帰ると順平と荒垣が話していた。

順「お、おかえり!」

公「た、ただいま。」

真「じゃ、じゃあ・・・お、俺は風呂にでも入るかな。」

公「わ、私は明日の用意でも・・・。」

荒「ん?」

不自然に別れる2人に首を傾げる順平達。

コ「ワン!!」

コロマルの鳴き声に周りを警戒する真田と公子。

公「・・・ふぅ。アイギスはいないみたい。」

真「・・・。」

すると階段からひょっこり顔を出すアイギス。

ア「真田先輩と公子さんはとてもいい感じだったと言っています。」

真「うわっ!」

公「なんでそんなところにいるの!!」

ア「あなたを迎えに来ました。健康チェックします。」

公「も、もう大丈夫だから!」

コ「ワフッ!」

ア「公子さんは真田先輩と一緒にいれて嬉。」

アイギスの口を塞ぐ公子。

公「あはは!何言ってんのかしらねコロちゃん・・・。」

コ「キュ、キューン。」

コロマルは公子の殺気にビクビクする。

公子は無理やりアイギスを3階に連れて行った。

真「お、俺はもう寝るぞ!」

順「あれ?風呂じゃなかったんすか?」

真「・・・くっ。」

真田は部屋に戻り、風呂の準備をした。

順「コロマルーよく教えてくれたなー。」

コロマルの頭をわしゃわしゃと撫でる。

荒「・・・たっく。んな事わざわざ言わなくたってみんな気づいてるっての。」

順「あ、でも桐条先輩は気がついてないかも。」

荒「あぁ・・・あいつは金持ちのお嬢様だからな。鈍感なんだろ。」

順「いいよなー青春。やっぱり青春に恋はつきものだよなー!」

荒「・・・。」

順「先輩は好きな女の子とかいないんすか?」

荒「・・・いねえよんなもん。」

すると公子が再び降りてきた。

順「ん?忘れもんか?真田先輩ならもういないぜ?」

公「さ、真田先輩は関係ないでしょ!!」

公子は荒垣の前に立つ。

荒「・・・んだよ。」

公「これ!荒垣先輩のですよね?」

公子は古びた懐中時計を荒垣に渡す。

荒「これは・・・。」

公「前に話してるの思い出して、黒沢さんに聞いてみたんです!そしたら届けてあったみたいで!」

ニッコリ笑う公子をみる。

荒「・・・なんでお前が持ってくるんだよ。」

公「え?」

荒「・・・。」

荒垣は公子をギュッと抱きしめた。

公「へ!?」

順「あわわ!」

順平は急な出来事にどうしたらいいのかと慌てていた。

荒「何でお前が・・・持ってきちまうんだよ。」

公「せ、先輩・・・。」

するとこんな時に真田が戻ってきた。

真「風呂の前に飲み物飲まないと・・・えっ。」

手に持っていたタオルを落としてしまう。

順「あ!!い、いや、これはっ!」

真「何やってんだ・・・シンジ。」

荒「・・・。」

真「・・・何やってんだって聞いてんだよ!」

荒垣は公子から体を離す。

荒「アキ・・・お前・・・そろそろ素直になれよ。」

真「・・・。」

荒「じゃねぇと・・・俺が貰っちまうぞ。」

公「もらっ!」

公子の顔は真っ赤に染まる。

真「・・・ふざけんな!」

荒垣の胸ぐらを掴む真田。

順「あわわわ!」

真「俺だって・・・必死で・・・。」

荒「・・・。」

公「や、やめてくださいよ!」

その騒ぎにみんなが降りてくる。

桐「どうした!?」

順「あ、みんなぁ・・・。」

荒「どうする・・・俺を殴るのか。」

真「・・・。」

荒「・・・もう一度いう。お前がいらねえってなら・・・俺が貰うからな。」

真田は握りしめる手に力が入るが、パッと荒垣を離した。

降りてきたみんなをかき分け、自分の部屋にもどってしまった。
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