真田夢小説(ハム子)★完結★
□友情
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3人で寮に帰ると真田と桐条がソファに座っていた。
桐「おかえり。主人、学年1位だそうだな。あとで私の部屋に来い。ご褒美だ。」
公「やったーご褒美ー!」
真「・・・なんだ岳羽。俺に何か用か?」
じっと睨むゆかりに首を傾げる。
ゆ「・・・先輩のせいなんですからね!」
そう言って階段を駆け上がっていく。
公「ちょ、ちょっとゆかりー!」
それを追いかける公子。
真「な、なんだ。俺何かしたか?」
順「いやー。真田さんは何もしてませんよ。ただ周りがねぇー。」
真「ん?」
真田は全く気がつかないようだ。
順「ハァ。」
順平も上へ向かった。
公「ゆかり・・・。」
ゆ「・・・ごめんね、公子の事なのにさ。友達が理不尽に責められるなんて・・・なんだかイライラしちゃって。」
公「・・・ううん、ありがとう。ゆかりの気持ち、とっても嬉しい。」
ゆ「公子・・・。」
順「俺っちがいるのも忘れないでくれよー!」
公「あ。」
順「あってなんだよ!マジで忘れてたんかー!?」
公「ははっ!冗談だよジョーダン!」
ゆ「・・・あははっ!」
ゆかりは元気よく笑った。
そんなある日、朝から何やら騒がしい生徒達。
公「なんの話してるのかな?」
順「なんだよ知らないのか?隣のE組の女子が、昨日の晩から行方不明らしくてさ。それが今朝んなって校門の前でぶっ倒れてたんだと!」
公「えー。大丈夫なのかなー。」
順「どうだろうなぁ。噂じゃ意識も戻ってねぇらしいからな。」
そこにゆかりがやってきた。
順「よぉ、遅かったな。」
ゆ「ちょっと先生に話してきたの。今日倒れてた子さ、実は昨日部活の帰りにみたのよ。」
公「え?」
ゆ「その時は別に普通だったんだけど。」
その話で今日はもちきりだ。
数日後の夜、みんなと食事をとっている時順平が話し出した。
順「そういやゆかりっちさ、学校用のネット板とか見てる?」
ゆ「なにそれ見てないわよ。」
順「いやさ、先週E組の子が校門前で倒れてんの見つかったっしょ?あれ、怪談に出てくるオンリョウの仕業じゃないかって。」
ゆ「オンリョウとかマジやめてよ・・・嘘くさい!」
桐「・・・その怪談というのはどんな話だ?」
ゆ「ちょ!どうせ作り話に決まってるし、き、聞かなくてもいいと思いますが!」
公「あ!ゆかり〜怖いの苦手なんだー!」
ゆ「べ!別にそういうわけじゃ!」
真「興味ある、話してみろ。」
ゆ「うっ・・・。」
順平は電気を消し、懐中電灯で顔を照らした。
順「どうも、こんばんは。伊織順平アワーのお時間です。」
ゆ「い、いつの間に懐中電灯なんて。」
順「ご存知ですか?遅くまで学校にいると、死んだはずの生徒が現れて食われるよって怪談。」
ゆ「ひっ!」
ゆかりは公子の腕にしがみつく。
順「私の知り合いAが、『俺さぁ変なもの見ちゃった。実は例のE組の子なんだけどね、事件の前の晩学校来てるとこ見たよ。』って言うんです。」
公「え?」
順「その子は夜遊びするような子じゃない。でもAは恐怖でガタガタ震えてました。そこで私気が付きましたよ!倒れてた子は食われたんですよ、死んだはずの生徒に!」
真「・・・。」
順「夜中に学校にいたから食われて、だから倒れてたんだって・・・私ゾクーっとしました。世の中にはどーも不思議なことってあるようなんですよ。」
話は静かに終わった。
公「ゆ、ゆかりもう終わったよ?」
ゆ「も、もうちょっとこうしてていい?」
ガタガタとゆかりの手は震えていた。
桐「どう思う明彦。」
真「オンリョウとはともかく、調べる価値はありそうだな。」
順「しっかし、ゆかりっちさ。お化けが苦手とは、ちょい情けないよな。」
ゆ「な!?情けないって言った!?いいわよ順平。だったら調べよーじゃないの!」
公「そ、そんなムキにならなくても。」
ゆ「いーや!やってやるんだから!お互いこれから一週間いろんな人から徹底的に話を聞いて回るワケ。怪談なんて絶対嘘に決まってるし!」
桐「それは助かる。気味の悪い話だしな。」
ゆ「え?」
真「じゃあ、よろしくな。あー怖い怖い。」
ゆ「えぇ。」
ゆかりは自然と捜査係になってしまった。