ぬ〜べ〜夢小説 ★完結★
□人化の術
1ページ/9ページ
そこは手術室。
玉藻は手術をしていた。
玉「くっ。」
「玉藻先生?」
玉藻は手が震え息が荒くなっていた。
玉「体調がわるいらしい・・・すまないが、あとは頼む・・・縫合するだけだ。」
そういって手術室をあとにする。
そして、部屋へ戻る。
玉「とうとう来たか・・・この時が・・・。」
すると、玉藻は大量に吐血した。
机に片手をつき、口元を押さえるが再び吐血してしまう。
玉「残された時間がわずかなのはわかっていたが・・・こんな急激に来るとは。私も年貢の納めどきか。」
口の周りを拭きながら色々考えていた。
「お久しぶりです、玉藻様。」
その声に振り返ると、忍びの格好をした狐の耳と尻尾が生えた少年がいた。
玉「お前は・・・石蕗丸(いわぶきまる)。妖狐の谷の若狐・・・何しに来た。」
石蕗「そんなことより玉藻様!!もはや時間がありませぬ!!」
玉「・・・。」
石蕗「あなたが人間界に来た目的は、最も自分に適した人間のドクロを選び、人化の術を完成させること。それによって妖狐の力も何十倍にもなるはずだった。」
玉「そうだな。」
石蕗「体に合わない今のドクロによる、不完全な人化の術では玉藻様のお身体は・・・。」
玉「わかっている。だが、今のドクロを捨てて妖狐に戻ったとしても・・・私の体は回復不能なまで蝕まれている。もはや手遅れだ。」
石蕗「今からでも人化の術を完成させれば、まだ間に合います!!私は玉藻様を尊敬しております!!是非お力になりたいと妖狐の谷からやって参りました。」
玉「・・・。」
広「おらぁー!」
ま「わぁー!」
ぬ〜べ〜クラスは体育の時間でドッチボールをしていた。
郷「勉強はダメなのに運動は得意なのよねー。」
美「そんな広が好きなんでしょ?」
郷「そうねー・・・って!!何言わすんじゃ!!」
すると、授業中にもかかわらず玉藻がやってくる。
その横には石蕗丸の姿もあった。
郷「玉藻先生?」
美「隣の美少年は誰かしら!!」
ぬ「どうしたのたまちゃん?ププ・・・その子は誰?隠し子?」
ぬ〜べ〜はニヤニヤしている。
ゆ「鵺野先生、からかったらダメですよ。」
しかし、そのぬ〜べ〜の言葉をシカトして石蕗丸は広の元へと歩いていく。
広「ん?なんだよ。」
石蕗「この子ですね?」
玉「・・・。」
石蕗「お覚悟を・・・。」
広「え?」
すると武器を取り出し、広の首をはねようとする。
広「ひぃ!!!」
広は下へとしゃがみ込みなんとかかわした。
郷「広!!!」
ゆ「な、何をするの!?」
ぬ「何の真似だ玉藻!!!!」
玉「ふっ。何の真似って、広くんのドクロをもらいに来たのですよ。」
ぬ「なに?」
玉「今までおとなしかったのは力を蓄えていたのだ!!」
そういってぬ〜べ〜に攻撃をする。
ぬ「や、やめろ!玉藻!!」
郷「ど、どうなってるのよ。」
ゆ「・・・やめてください玉藻さん!!!」
玉藻はその言葉にちらっと有希を見るが、攻撃をやめようとしない。
玉「あなたも私が相手をしてあげますよ!」
そういって有希にも攻撃を始める。
ゆ「や、やめてよ!!玉藻さん!!」
有希は避けながら言う。
玉「以前の私とは違うぞ!!お前ら人間に勝ち目はない!!」
ぬ「ほ、本気なのか?!お前は人間の愛を理解してきたのではないのか?何度も町の人、生徒たちを助けたのは・・・芝居だったというのか?!」
玉「ふっ。」
3人が戦っている間、石蕗丸は広の近くにいた。
郷「広!!」
美「いやぁ!!」
石蕗「これも、玉藻様のためなのです。」
広「や、やめろ!!来るなーー!」