ぬ〜べ〜夢小説 ★完結★

□人化の術
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そこは手術室。

玉藻は手術をしていた。

玉「くっ。」

「玉藻先生?」

玉藻は手が震え息が荒くなっていた。

玉「体調がわるいらしい・・・すまないが、あとは頼む・・・縫合するだけだ。」

そういって手術室をあとにする。

そして、部屋へ戻る。

玉「とうとう来たか・・・この時が・・・。」

すると、玉藻は大量に吐血した。

机に片手をつき、口元を押さえるが再び吐血してしまう。

玉「残された時間がわずかなのはわかっていたが・・・こんな急激に来るとは。私も年貢の納めどきか。」

口の周りを拭きながら色々考えていた。

「お久しぶりです、玉藻様。」

その声に振り返ると、忍びの格好をした狐の耳と尻尾が生えた少年がいた。

玉「お前は・・・石蕗丸(いわぶきまる)。妖狐の谷の若狐・・・何しに来た。」

石蕗「そんなことより玉藻様!!もはや時間がありませぬ!!」

玉「・・・。」

石蕗「あなたが人間界に来た目的は、最も自分に適した人間のドクロを選び、人化の術を完成させること。それによって妖狐の力も何十倍にもなるはずだった。」

玉「そうだな。」

石蕗「体に合わない今のドクロによる、不完全な人化の術では玉藻様のお身体は・・・。」

玉「わかっている。だが、今のドクロを捨てて妖狐に戻ったとしても・・・私の体は回復不能なまで蝕まれている。もはや手遅れだ。」

石蕗「今からでも人化の術を完成させれば、まだ間に合います!!私は玉藻様を尊敬しております!!是非お力になりたいと妖狐の谷からやって参りました。」

玉「・・・。」







広「おらぁー!」

ま「わぁー!」

ぬ〜べ〜クラスは体育の時間でドッチボールをしていた。

郷「勉強はダメなのに運動は得意なのよねー。」

美「そんな広が好きなんでしょ?」

郷「そうねー・・・って!!何言わすんじゃ!!」

すると、授業中にもかかわらず玉藻がやってくる。

その横には石蕗丸の姿もあった。

郷「玉藻先生?」

美「隣の美少年は誰かしら!!」

ぬ「どうしたのたまちゃん?ププ・・・その子は誰?隠し子?」

ぬ〜べ〜はニヤニヤしている。

ゆ「鵺野先生、からかったらダメですよ。」

しかし、そのぬ〜べ〜の言葉をシカトして石蕗丸は広の元へと歩いていく。

広「ん?なんだよ。」

石蕗「この子ですね?」

玉「・・・。」

石蕗「お覚悟を・・・。」

広「え?」

すると武器を取り出し、広の首をはねようとする。

広「ひぃ!!!」

広は下へとしゃがみ込みなんとかかわした。

郷「広!!!」

ゆ「な、何をするの!?」

ぬ「何の真似だ玉藻!!!!」

玉「ふっ。何の真似って、広くんのドクロをもらいに来たのですよ。」

ぬ「なに?」

玉「今までおとなしかったのは力を蓄えていたのだ!!」

そういってぬ〜べ〜に攻撃をする。

ぬ「や、やめろ!玉藻!!」

郷「ど、どうなってるのよ。」

ゆ「・・・やめてください玉藻さん!!!」

玉藻はその言葉にちらっと有希を見るが、攻撃をやめようとしない。

玉「あなたも私が相手をしてあげますよ!」

そういって有希にも攻撃を始める。

ゆ「や、やめてよ!!玉藻さん!!」

有希は避けながら言う。

玉「以前の私とは違うぞ!!お前ら人間に勝ち目はない!!」

ぬ「ほ、本気なのか?!お前は人間の愛を理解してきたのではないのか?何度も町の人、生徒たちを助けたのは・・・芝居だったというのか?!」

玉「ふっ。」

3人が戦っている間、石蕗丸は広の近くにいた。

郷「広!!」

美「いやぁ!!」

石蕗「これも、玉藻様のためなのです。」

広「や、やめろ!!来るなーー!」
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