楠雄夢小説 ★完結★
□友情
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「転校生だって!」
「あの才虎グループの御曹司らしいよ。」
「マジかよ!」
楠(やれやれまたか。)
教室にレッドカーペットが敷かれる。
「俺様は才虎 芽斗吏だ。お前ら雑草と馴れ合うつもりはない。気安く話しかけるな。」
そのセリフにみんなはドン引く。
才「おい、そこの唇貧乏席を変われ。」
指を刺された高橋はなんだと!?と才虎の元へ向かって行くが、ポケットに札束を入れられるとすんなり席を譲った。
窪「おい、お前。なんで転校して来た。」
才「ふっ。確かに理由がなければこんな貧乏学校に縁はなかったな。」
そう言って照橋の元へと向かう。
才「俺の目当てはお前だ、照橋心美!俺の女になれ。」
そのセリフに大騒ぎする生徒たち。
蛍(す、すごい話になって来たな。)
食堂で蛍と夢原と目良でお昼を食べる。
夢「あれ?千里っちどこ行ってたの?」
しょんぼりしながら帰ってくる目良。
目「あと少しで食べられたのに・・・。」
どうやら才虎に近づき、食事を盗もうとしていたようだ。
目「ハァ・・・。」
ため息をついて弁当箱を開ける目良。
その中身は、おかずがない日の丸弁当だった。
蛍「・・・千里ちゃん、これよかったら食べてよ。」
蛍は自分のお弁当箱を目良に渡す。
目「えっ!?でも、そしたら蛍の食べる分が・・・。」
蛍「私はおにぎりだけで大丈夫!今日大きく作りすぎちゃったんだ。」
目「ううう、お昼におかずなんてどれくらいぶりだろう・・・。」
目良は蛍のおかずを一口食べる。
目「美味しい!!!ありがとう蛍!あなたは命の恩人よぉ!!!」
泣きながらおかずと白米を食べていく。
蛍「ふふ、よかった。」
すると、後ろの方が騒がしくなる。
どうやら窪谷須が才虎の使用人と喧嘩をしているようだ。
夢「え?窪谷須くん!?」
蛍「ちょ、ちょっと!」
周りを見渡すが斉木の姿はなかった。
周りは驚いて見ているだけだ。
止めるなら自分しかいない。
しかし、このままの姿で喧嘩を止めると目立ってしまう。
蛍「先生呼んでくる!」
夢「う、うん!」
蛍は物陰に隠れ、男子化する。
海「や、やめろよ!」
震える声でなんとか止めようとする海堂。
窪「うらああ!!」
窪安が使用人を殴ろうとする。
その間に入り、片手で窪谷須の拳を受け止める。
蛍「これ以上やめとけ。捕まりたいのか。」
そのセリフに正気に戻る窪谷須。
使用人も襟を正し、後ろに下がる。
蛍「どうしてこうなった?」
海「あ、あいつが先に殴って来たんだ!」
その証言にそうだ!俺も見た!と周りが声を上げる。
蛍「使用人が生徒に手を挙げたって世間に知られたら、才虎グループに泥に塗ることになるな。」
使「・・・っち。」
使用人達は食堂を出て行った。
すると、蛍の男子化にキャーキャーと女子達が声を上げる。
「誰あの人!?」
「かっこいい!!」
「素敵ー!!」
その騒ぎに教師達がやってくる。
蛍「いいか、あいつらの挑発にのったらダメだ。おそらく、金の力で警察も味方だろうからな。」
窪「・・・わかった、悪かったな。助かったよ。」
蛍は教師に見つかる前に窓から外へと脱出する。
そして、元の姿に戻り夢原の元へと帰っていった。