金木夢小説

□嘉納
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アカリが目を覚ますと、手足が拘束されているのに気がつく。

「あ、目が覚めたんだねー!」

そう言うのは包帯をぐるぐると巻いた小さな子。

ア「・・・誰。」

「私の名前はエト。今は久世 アカリちゃんなのかな?」

座っていたエトはピョンと飛び降りこちらに向かって歩きだす。

エ「ねぇ、どうやったらリゼは出てくるの?』

ア「・・・そんなの知らない。」

エ「そっかぁ。」

すると横にいたアヤトがアカリを蹴り飛ばす。

ア「ぐぅ!」

エ「ダメだよ乱暴はぁ。ごめんね、アカリちゃん。」

ア「うぅ。」

エ「お詫びにここに美味しいご飯置いておくからね。」

床にぽいっとなげられたのは人間の死体だった。

エ「食事は好きだよね?遠慮しなくていいからね?」

そう言って部屋を出て行くアヤトとエト。

ア「うぅ・・・。」

リ『ねぇ、ほら見て美味しそうなお肉。あの肌の色はとっても新鮮だわ!」

ア『いや・・・出てこないで。』

リ『ねぇ、私今お腹すいて仕方がないの。新鮮なうちに早く食べましょう。』

ア「あぁああぁっ!!!」

アカリの叫び声が部屋中に響いた。














ア「っち。まだリゼは出てこねぇのか。」

エ「あれから全然ご飯食べてないみたい。」

ア「無理やり口に突っ込みゃいいんだよ!」

そう言ってアヤトはアカリがいる部屋へと入る。

エ「あーあー。何を怒ってるのか。」

タ「・・・。」



ア「おい!!さっさとリゼを出しやがれ!」

ア「リゼ・・・私・・・違う・・・。」

ここ数日、暴力を振るわれ空腹なアカリ。

しかし、自分の意思は何とか保っているようだ。

アヤトは床に落ちてる人間の死体を引きちぎる。

ア「ほら!!口開けろ!!!」

ア「んーーー!!!!」

口を閉じ地面に顔を伏せる。

ア「てめぇ、いい加減にしろよっ!!」

アヤトはアカリを蹴り飛ばし顔が上に向いた隙を狙い口を無理やり開ける。

ア「ああぁっ!!!」

アヤトは人間の一部を無理やりアカリの口に詰め込み力ずくで閉じた。

ア「んーーー!!!」

ドタバタ暴れるアカリ。

タ「おい。あんまり乱暴に扱うな。死なれでもしたらどうする。」

ア「うるせぇ!!こいつだけは気にくわねぇんだ!!」

ア「んーーーー!!」

しかし、抵抗虚しくその人間の一部はアカリの喉を通ってしまった。

ア「あっ・・・・あぁ。」

暴れていたアカリが大人しくなる。

リ『あぁ美味しい・・・ねぇ、あなたもそう思わない?』

ア『・・・美味しい。』

リ『そうよね?美味しいわよね?』

ア『もっと・・・もっと食べたい。』

リ『沢山食べて、強くなって、あの先生殺しに行かなくちゃ・・・ね?』

ア『殺しに・・・嘉納を・・・。』
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