金木夢小説

□ディナー
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カネキとアカリはトーカだけでなく、四方にも戦い方を教わっていた。

四「腰が入ってない、軽すぎる。」

カ「す、すみません。」

四「トーカ、お前もこい。」

ト「三人同時でいいんですか?」

四方は黙ってトーカ達をみつめる。

かかって来いという事なのだろう。

ト「いくよ!」

三人で攻撃するものの、四方はひょいひょいと避けていく。

すると、アカリは動きを止める。

ト「ん?」

アカリのお腹はグルルと鳴っていた。

四「ちゃんと飯食わないと、強くなれないぞ。」

ア「・・・。」

カ「アカリちゃん?」

ア「・・・ごめんなさい。」

アカリは走って何処かへ行ってしまう。

カ「アカリちゃん!」

カネキはアカリを追いかけた。

カ「アカリちゃん!待って!待ってよ!」

やっと追いつき、アカリの腕を掴む。

カ「ハァ・・・ハァ。」

ア「・・・・。」

カ「・・・どこか具合でも悪いの?」

左右に首を振る。

カ「とりあえず、そこに座ろう?ね?」

カネキはアカリを座らせる。

カ「それで、どうしたの?」

ア「・・・私・・・あれから・・・人間を少しずつ・・・食べてるの。」

カ「・・・そう。」

ア「食べるたびに髪の毛の色が変わって・・・私に誰かが入ってくる。」

カ「・・・。」

ア「それを何回も繰り返せば・・・なれると思ったけど・・・日に日に戻る時間が遅くなって・・・。」

アカリの体は震えていた。

ア「食べるのが・・・怖くなった・・・。自分の中の誰かを受け入れたいって・・・言ったのに・・・ごめんなさい。」

カネキは優しくアカリを抱きしめた。

カ「そんなに慌てなくていいんじゃないかな。」

ア「・・・。」

カ「僕も・・・何をすれば正しいのか、全くわからない。けど・・・自分の信じる道を、自分のスピードで歩けばいい。そう考えると楽じゃない?」

ア「そう・・・だね。」

カネキはアカリを抱きしめている事が急に恥ずかしくなり、体を離す。

カ「ごごご、ごめん!!そ、その・・・。」

慌てるカネキを見て微笑むアカリ。

ア「ううん、ありがとう。」

カ「・・へへ。」

カネキは照れ笑いをする。

そんな二人を遠くから見守る四方とトーカ。

ト「あーあー。出入り口でイチャつかないでほしいな。」

四「でも、アカリはお前達と過ごすようになって変わったな。」

ト「・・・そーですね。」

笑顔のアカリを見てトーカも微笑んだ。
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