金木夢小説
□戦い
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四「俺たちは後から行く、先にトーカ達のところへ行ってくれないか。」
ア「はい。」
アカリはトーカ達の元へ急いだ。
四「アカリ、なんであんな事を聞いたんだ。」
カ「あんな事?」
四「暴走する研に・・・人間を食べてどんな気分だと聞いていた。」
カ「・・・きっとそれはアカリちゃんも似たようなことがあったからだと思います。」
四「似たようなこと?」
カ「ウタさんにもらった人間の一部を食べて様子がおかしくなったんです。髪の毛が・・・紫色に染まって。」
四「そうか・・・。」
カ「自分が誰なのか思い出したい。その為には、自分の中の誰かを受け入れなきゃいけないって・・・そう言っていました。」
四「・・・。」
カ「その言葉に、僕も・・・僕の中の彼女を受け入れないとダメだって・・て思ったんです。」
四「・・・本当に似ているんだな、お前達は。」
カ「へへ・・・。」
ア「トーカちゃん、ヒナミちゃん。」
ト「来るのがおせーんだよ。」
ア「・・・ごめんなさい。」
ト「もう、終わった。」
するとその時死んでいたはずの男が動き出す。
「まだだ、貴様らに報復を・・・私は・・・奴を隻眼をこの手で葬るまでは・・・まだ・・・死ねな・・。」
しかし、その男はその場に力尽きた。
ト「手袋なんかしやがって・・・私らには触るのも嫌かよ!」
そう言って手袋を外す。
すると、その指には結婚指輪がはめてあった。
それを見たトーカは顔色が変わる。
ト「・・・。」
ア「・・・トーカちゃん。」
沈黙が続いた。
カ「おーい!」
四方とカネキが走ってくる。
四「大丈夫か?」
ト「私は・・・大丈夫です。それより・・・。」
遺体を回収するようだ。
しかし四方は歩みを止める。
四「誰かがこちらへ向かってきている・・・運んでいる時間はない。やむを得ん、行くぞ。」
カ「は、はい。」
ヒ「わたし、生きてていいのかな。」
ト「え。」
カ「・・・。」
ア「・・・私は、ヒナミちゃんに生きていて欲しい。ヒナミちゃんだけじゃない。トーカちゃんも四方さんもカネキくんも・・・みんな。」
ト「アカリ・・・。」
カ「ヒナミちゃん、リョーコさんはあの時・・・生きてって言ったんだと思うよ。」
その言葉にリョーコの最後の笑顔を思い出す。
ヒ「・・・うん。」