桐生夢小説

□アサガオ
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宏「まだかなー!」

綾「そろそろ着いた頃だと思うけど。」

子供達は桐生の帰りを待っていた。

芽「ねぇ、みんなでドッチボールしながら待たない?」

泉「さんせーい!」

エ「わーい!ドッチボール!」

芽依はみんなでドッチボールをして時間を過ごした。

しばらくすると桐生がアサガオに帰ってきた。

太「おじさん!」

綾「おじさーん!」

おかえりなさい!お土産はー?と桐生の帰りを喜ぶ子供達。

芽「おかえりなさい。」

桐「・・・ただいま。」

すると、縁側に座る名嘉原の姿が見えた。

桐「名嘉原!」

幹夫に肩を担がれこちらに向かって歩き出した。

桐「もう、動いても大丈夫なのか?」

名「あぁ。待たせたな、兄弟。」

その声に微笑む桐生。

力「兄貴、姉御を助けてくれた男の事は何かわかったんですか?」

桐「あぁ・・・奴は、俺の育ての親・・・風間のおやっさんの実の兄弟で、CIAの諜報員だ。」

芽「CIA?」

名「高柳さんを助けたっていう男は俺が撃たれたときにいた男だな。なんだってCIAが俺を狙ったんだ?」

桐「CIAはある目的のために日本に潜入している。詳しくは話せないが、その目的のためにこのアサガオの土地の権利書が必要だった。」

力「CIAがこの土地を手に入れるために?」

桐「いや、そうじゃない。CIAはこの土地を利用した計画が予定通りに進む必要があったんだ。」

リゾート開発、基地拡大、新たな軍備配置法案の実現が目的だった。

それはなぜかというと、アメリカにとっても敵である組織の動きを誘うことが目的だった。

その組織を突き止め潰す。

それがアメリカの狙いだ。

芽「誰からそんな話を。」

桐「防衛大臣の田宮だ。奴は部下の政治家、當眞を救ってほしいと頼んできた。救ってくれたらリゾート開発を止めると。」

幹「救う?」

桐「當眞は今回の田宮とCIAの共諜を深く知りすぎた。そして、自分自身の意思で勝手に行動し始めた。その結果CIAから狙われることに。」

しかし、それは田宮にとっても都合が悪いはず。

なぜ、當眞を助けようとするのか。

それは、ただ當眞を見捨てられないという田宮の気持ちだというのだ。

名「政治家ってのは損得で動いてるもんだと思ってたが、そんな野郎もいるんだな。」

桐「あぁ。俺はその當眞を救うために沖縄に戻ってきた。まずは奴の居場所を突き止めないと。」

すると田宮から電話がかかってくる。

桐「あぁ・・・そうか、わかった。」

芽「どうしたんですか?」

桐「田宮からだ。當眞は今、県庁で会合らしい。それが終わるまでCIAも手は出さないだろう。」

名「そうか。時間ができたなら少し子供達と遊んでやったらどうだ?お前さんがいない間、みんな寂しそうにしてたぜ。」

名嘉原は芽依をチラリと見る。

名「そこの大人もな。」

芽「わ!私はそんな!」

桐「・・・ふっ、そうだな。」

名嘉原はこれから検査入院だからと車に乗り込んだ。

力「俺たちは親父を病院に送った後、また顔出しますから!」

力也達は車を走らせた。
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