桐生夢小説

□似顔絵の男
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芽依は休みの日は、アサガオに来るようになっていた。

芽依が沖縄に来てから約1年。

本当に幸せな日々を過ごしていた。

太「ぐぬぬぬ!」

芽「そんなんじゃ一流のプロレスラーにはなれないわよ!」

太「うわぁ!」

倒れる太一。

三「はい!太一の負けー!」

太「くそー!」

宏「芽依ねーちゃんつえー!」

芽「でも、前より強くなったわよ!私が教えた技覚えてる?」

太「うん!」

芽「それが出来るようになればもっともっと強くなれるわ!」

太「・・・よっしゃ!頑張るぞ!」

すると桐生が大きな魚を捕まえてくる。

綾「わっ!おじさんすごーい!」

泉「おっきなお魚だぁ!」

桐「今料理してやるからな。」

芽「私も手伝いますよ!」

桐「あぁ、悪いな。」

エ「ねえねえ!夜ご飯できるまでみんなでドッチボールしようよ!」

理「いいね!」

遥「じゃあチーム分けしよう!」

みんなは楽しそうにドッチボールをした。

すると、料理を終えた桐生と芽依がやってくる。

今日は天気もいいので外で食べるようだ。

桐「さぁ、夕飯だ!」

芽「手を洗ってきなさーい!」

「はーい!」

みんなは手を洗い席につく。

食べようとした時、宏次が何かを見つける。

宏「あ!力也兄ちゃんだ!」

わーっと力也の周りに集まる。

芽「力也くんも一緒に夕飯どう?」

桐「そうだな、お前も食ってけ。」

しかし元気がない力也。

桐「・・・どうした。」

力「・・・親父が・・・撃たれた。」

桐「えっ!」

みんなは静まり返る。

芽「う、撃たれたって・・・どうして!」

力「・・・土地買収の件に違いありません。権利書がなくなってましたから・・・。兄貴、俺は・・・どうしたら。」

桐「力也・・・とりあえず病院へ向かおう。芽依、子供達を頼めるか。」

芽「はい。」

遥「私も行く!咲ちゃんが・・・心配だから。」

桐「・・・あぁ、わかった。」

桐生達は病院へと向かった。

芽「・・・さぁ、みんな食べましょう。」

綾「う、うん。」

みんなは食が進まないようだ。

志「名嘉原のおじさん・・・死んじゃうの?」

太「なわけないだろ!!変なこと言うなよ!」

志「だって!撃たれたって銃で撃たれたってことでしょ!!」

太「そうだけど・・・親父さんなら大丈夫なんだよ!」

芽依は志郎の頭を優しく撫でる。

芽「そうよ。名嘉原のおじさんならきっと大丈夫。咲ちゃんを残して死ぬはずないわ。」

志「・・・うん。」

芽「さぁ、冷めないうちにご飯食べちゃいましょう。」

芽依は平常心を装い、子供達を落ち着かせた。
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