桐生夢小説

□彼との仲
8ページ/8ページ

険しい顔をした2人がセレナに帰って来た。

芽「薫ちゃんは!?どうしたんですか!?」

桐「・・・。」

遥「おじさん!」

桐「狭山は・・・郷田龍司と血の繋がった兄弟だ。」

芽「え。」

桐「それを知った狭山は・・・1人で龍司に会いにいった。抗争に終止符を打つためだと・・・言っていた。」

芽「そんな・・・。」

桐「俺は・・・狭山の元へ行く。」

芽「・・・。」

桐「もしかしたら・・・無事に帰って来れないかもしれない。」

遥「おじさん・・・。」

桐「その時は・・・遥の事・・・頼めるか、芽依。」

芽「・・・何弱気な事言ってるんですか!!」

桐「・・・。」

芽「郷田龍司を倒して、薫ちゃんを取り返すだけでしょ!!桐生さんならできます!!」

桐「・・・。」

芽「そして、桐生さんと薫ちゃんと遥ちゃんの3人で暮らして、幸せな家庭を持ってくださいよ!」

遥「芽依さん・・・。」

芽「そんな、もしもの話はしないでください!」

桐「・・・。」

伊「・・・桐生、とにかく今は郷田龍司との戦いの事だけを考えよう。」

桐「・・・あぁ。」

伊「相手も死ぬ気で向かってくるはずだ。準備はしっかりしていけよ。」

桐生は覚悟を決めたようだ。

伊「遥と芽依の事は任せろ。」

桐「・・・すまない、伊達さん。」

桐生は芽依の目を見て言う。

桐「いってくる。」

芽「・・・行ってらっしゃい。」

遥「おじさん・・・。」

桐生は優しく遥の頭を撫で、セレナを出ていった。






しばらくすると、伊達の携帯がなる。

伊「何!?神室町ヒルズに!?桐生達がそこにいるんだぞ!!・・・わかった。今から行く!」

遥「おじさんがどうしたの!?」

伊「桐生達のいる神室町ヒルズに爆弾が仕掛けられているらしい。俺は今からそれを伝えにヘリで向かう。」

遥「私も行く!!」

伊「ダメだ!言っただろ!爆弾があるんだ!」

芽「・・・お願いします!伊達さん!遥ちゃんは桐生さんが心配なんです!何かあったら私が遥ちゃんを守ります。だから!」

伊「・・・わかったよ。後で桐生に怒られるなこりゃ。」

伊達は2人を連れていった。



ヘリに乗り込み、神室町ヒルズの最上階を見下ろすと、桐生と狭山、倒れる郷田龍司がいた。

須「爆発まで時間がありません!」

伊「桐生!聞こえるか!もうすぐ爆発する!はやく逃げろ!」

遥「おじさん!」

しかし、桐生はその場に倒れてしまった。

芽「桐生さん!」

それを狭山が支える。

須「ダメだ。時間がない!!」

芽「そんな・・・急いで逃げて桐りゅ・・・。」

芽依の目にはキスをする狭山と桐生が映っていた。

芽「・・・。」

芽依は静かに涙を流した。

伊達はチラリと芽依をみる。

伊「・・・桐生!!逃げろ!!爆発するぞ!!」

何度もキスをする2人。

芽「・・・桐生さん。」

須「伊達さん!これ以上近づくのは危険です!時間もない!我々も退避します!」

伊「桐生・・・。」

遥「おじさん!!!」










爆発の時間になるが、何も起きない。

伊「・・・もう時間は過ぎてるよな。」

須「・・・はい。」

伊「・・・とりあえず桐生達の元へ戻るぞ!」

須「はい!」

桐生達はヘリに乗り助かった。

どうやら爆弾は既に解除されていたみたいだ。
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ