桐生夢小説
□再会
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狭「あら、あなたも来たの?」
芽「1人にさせるのは心配だからって。」
狭「舐められたもんね。弱かったら警察になんかならないわよ。」
芽「店からビール持ってきたから、また飲まない?」
狭「・・・そうね。ただ待ってるのも暇だし。」
2人はビールをグラスに入れ乾杯した。
狭「ねぇ、芽依さんは桐生一馬とどんな関係なの?」
芽「え?」
狭「だって、元極道とはいえ仲がいいなんてどんな関係なのか気になるじゃない。」
芽「どんなって言われても・・・。」
狭「あ!好きって事!?」
芽「な!何言ってんの!違うわよ!」
狭「えー?本当かなぁ?」
芽「本当だって!」
狭「ふーん。まぁ、いいけど。あなた、整体師なのよね?」
芽「うん。」
狭「なんで整体師の女性が元極道2人と仲良しなのか・・・うーん。」
自分なりに推理しているようだ。
芽「もともと真島さんは常連さんでね?話すようになったら、桐生さんとも仲良くなって・・・って感じかな?」
狭「でも、整体師とそこまで仲良くなる?他にも何かあるんじゃない?」
芽「あとは・・・真島さんに空手世界一だっていうのが気に入られて・・・そこから桐生さんと戦うことになって・・・。」
狭「ちょっと待って!空手世界一ってどういう事?!」
芽「あ・・・2年前だけど、世界大会で優勝して・・・。」
狭「もしかして!!あの無差別級の世界大会の事!?」
芽「う、うん。」
狭「もしかして!!!あの高柳 芽依選手!?」
芽「え!大会観てくれたの?」
狭「観たわよ!チケット買ってわざわざ観に行ったんだから!」
芽「本当に!嬉しいなぁ!」
狭「すごい・・・あの人が目の前にいるなんて・・・。」
握手してくださいと手を差し出す狭山。
芽依は喜んで握手をした。
狭「私、あなたの試合見て感動したの!女性でもこんなに強くなれるんだって!」
芽「へへ。なんだか照れるな。」
狭「信じられない・・・目の前にあの選手がいるなんて・・・。」
狭山はぐびぐびっとビールを飲み干し、次の酒を注ぐ。
狭「ねぇ!写真とサインお願いしてもいい!?」
芽「わ、私のなんかいるの?」
狭「いる!!てか、欲しい!!お願いします!」
頭を下げる狭山。
芽「わ、わかったから頭上げてよ!」
狭「やった!!ママに自慢しなきゃ!」
喜ぶ狭山に微笑む芽依。
そこに桐生が帰ってきた。