桐生夢小説

□再会
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あれから1年。

芽「買い物!買い物!」

芽依がルンルン歩いていると、目の前から見たことのある男が歩いてきた。

芽「えっ。」

その男は女性をお姫様抱っこしていた。

芽「桐生・・・さん?」

それより桐生に抱き上げられるスーツの女性が誰なのか気になった。

そのまま元セレナへ入る桐生。

芽「・・・。」

しばらくボーッと立っていると桐生が出てくる。

桐「ん?」

芽依の視線に気がつく。

桐「芽依か?久しぶりだな。」

芽「あ・・・お久しぶりです。」

桐「そうだ・・・悪いんだが、女が1人元セレナで寝ていてな。怪我をしているせいで熱があるんだ。」

芽「怪我?」

桐「もし予定がないのなら様子を見ていてくれないか?」

芽「私は別に・・・いいですけど。」

桐「久々だってのに悪いな。」

芽「その人は・・・桐生さんとどんな関係なんですか。」

桐「ん?」

下をうつむく芽依。

桐「・・・刑事だ。面倒な事になってな・・・俺を見張っている、ただそれだけだ。」

芽「そうですか。」

桐「・・・俺は今から東城会本部に行かなきゃならない。悪いが頼んだぜ。すぐに戻る。」

そう言ってタクシーに乗っていった。

芽依はそれを見送ると元セレナへ向かった。

店に入ると女性が1人眠っていた。

芽「頭冷やしてあげなきゃ・・・。」

自分が持ってたタオルを濡らし、頭の上に乗せる。

「・・・誰!?」

芽「あ・・・私は桐生さんの知り合いの高柳 芽依です。」

「知り合いですって?」

芽「ええ。」

「あの人は?どこに行ったの?」

芽「ちょっと用があるからって、すぐに戻るからって言ってましたけど。」

「勝手な行動して・・・痛っ!」

芽「寝てなきゃダメですよ!何か欲しいものがあったら私が買ってきますから。」

「・・・。」

芽「何が欲しいですか?」

「・・・ビールと下着。」

芽「え?」

「熱のせいで汗かいちゃったから一浴びしたいのよ。」

芽「そうですか・・・なら、私の店に来ませんか?シャワー室ありますよ!

「あなたの店?」

芽「すぐそこで整体院やってるんです!汗臭いとお客様に失礼かなと思って作ったんですけどあんまり使わなくて。」

「そう・・・。」

芽「お風呂に入ってる間、ビール買ってきます!あっ、でも動けそうですか?」

「ええ。」

2人は芽依の店に向かって歩き出す。

「あなた優しいのね。私の名前は狭山薫。大阪府警四課の警部補よ。」

芽「ずいぶん優秀な方なんですね。」

狭「ふふ。」

狭山は芽依の店でシャワーを浴びた。
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