桐生夢小説

□別れ
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柄「気分はどうだ?」

芽「だいぶ良くなりました!」

柄「そうか、それは良かった。」

すると久しぶりに桐生が見舞いにやってきた。

それを見た柄本は部屋の隅に移動した。

芽「あ!桐生さん!お久しぶりです!」

桐「・・・気分はどうだ。」

芽「もう大丈夫です!何かお手伝い出来ることがあれば手伝いますよ!」

柄「それは無理だな。完璧に治ったわけじゃねぇ。」

芽「大丈夫ですって!」

桐「・・・。」

先ほどから暗い桐生。

芽「・・・あの。何かあったんですか?」

桐「あぁ。あれから・・・色々あった。」

芽「遥ちゃんは?遥ちゃんは無事なんですか?!」

桐「遥は無事だ。」

桐生はあったことを全て話した。

遥をスターダストに連れて行った犯人は、政府の地下組織の可能性がある事。

あの後、遥が再びさらわれた事。

その犯人は劉家龍という中国マフィアだという事。

彼は嶋野に頼まれ遥をさらったようだ。

ペンダントは錦山に売られてしまったが、無事遥を取り戻した。

芽「そうだったんですね。」

桐「・・・芽依。」

芽「はい?」

桐「この後の事も聞くか?」

芽「え?」

桐「・・・。」

下を向く桐生。

芽「聞かせてください。」

桐「わかった。」

桐生達が美月の死体だと思っていたのは、違う遺体だったという事。

歯形が違ったのだ。

その後のことを、桐生は深く息を吐いて話し出す。

桐「錦山に、俺たちのことが筒抜けでな。誰か仲間が近くにいると思った。」

芽「・・・。」

桐「花屋に調べてもらったら・・・その仲間は麗奈だった。」

芽「え!?」

一枚の手紙を出す。

それを読むと、麗奈の後悔の気持ちや錦山に惹かれていた気持ち・・・全てが書いてあった。

芽「責任をとりに行くって・・・麗奈さんはどうなったんですか!?」

桐「・・・麗奈は錦山をセレナに呼んで・・・撃とうとしたらしい。」

芽「えっ。」

桐「・・・麗奈はそのことが原因で他の奴に撃たれ・・・死んだ。」

芽「そ・・・んな。」

笑顔の麗奈が頭に浮かぶ。

涙がポロポロ流れた。

桐「・・・それから、風間のおやっさんのところへ向かった。」

芽「・・・。」

桐「俺は、やっとおやっさんに会えた。そして、真実を聞いてきた。」

芽「真実?」

桐「美月は由美だった・・・遥の本当の母親は由美だったんだ。」

芽「え?」

桐「そして、遥の父親は神宮京平・・・内閣府調査室MIAの室長だ。証拠もある。」

芽「・・・。」

堂島宗兵が殺された現場にいた由美。

由美はショックのあまり記憶をなくした。

桐生と同じ児童養護施設のヒマワリで育った由美は、その記憶はどこかにあったようでその施設に逃げ込んだ。

それを知った風間は、由美の元へ行き記憶何とか取り戻そうとした。

だが、錦山の写真を見た由美は酷く怯えた。

その様子から風間は、堂島宗兵を殺した本当の犯人は桐生ではなく錦山だと気がついたようだ。

錦山にバレないように風間は、記憶を失った由美の面倒を見ていた。

その時、東城会の会長世良からバックアップを受けていた神宮。

そのためよく東城会に出入りしていた。

その時にたまたま由美と出会ったようだ。

2人は恋に落ち、遥が産まれた。

そこまでは良かった。

神宮とこのまま結婚すれば極道との関わりが遠のく、そう思ったからだ。
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