桐生夢小説
□覚悟
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芽「うっ。」
芽依が目を開けると、見たことのない天井が見えた。
芽「・・・私・・・生きてる。」
誰かが芽依の手を握っていた。
芽「・・・桐生さん?」
桐「・・・。」
眠っているようだ。
芽依が身体を動かすと激痛が走る。
芽「うっ!」
桐「・・・芽依!目が覚めたのか!」
芽「あ・・・ごめんなさい起こしちゃって。」
桐「ちょっと待ってろ、今先生呼んでくるからな。」
桐生は先生を呼び、芽依の容体を見てもらう。
柄「もう大丈夫だな。しばらく安静にしておけばいつものように動ける。」
桐生に呼ばれたのか、伊達と遥もやってきた。
遥「芽依さん!!」
伊「よかった。」
芽「すみません・・・ご迷惑をおかけして。」
桐「いや。お前が動いてくれなかったら、遥や俺たちは撃たれていたかもしれない。助かったよ・・・ありがとう。」
芽「・・・。」
遥「ごめんなさい!!本当にごめんなさい!!!」
芽「謝らないで、遥ちゃんのせいじゃないわ。」
遥「でも!!」
芽「私が鈍臭かったのがいけないの。だから気にしないで。」
すると勢いよく扉が開かれる。
桐「誰だ!!」
桐生が戦闘態勢にはいるが、そこにいるのは見たことがある男だった。
真「芽依ちゃんが撃たれたってホンマか!!!」
桐「兄さん・・・。」
ベッドに横になる芽依をみて血相を変えて近づく。
真「ワシのせいか!?ワシとの戦いの傷が痛んで撃たれたんか!?」
芽「そ、そんな事ありませんよ!いててて。」
自分の声にも響く傷。
伊「なんでここにいるってわかった。」
真「芽依ちゃんの店のやつに聞いたんじゃ!」
真島は芽依を心配そうに見つめる。
芽「あ、ごめんなさい。前払いの分のマッサージ・・・しばらく出来ないかもしれません・・・。」
真「アホか!!そんなんいつでもええねん!!それより傷は!?もう大丈夫なんか!?」
芽「ええ。みなさんのおかげでもう大丈夫です。」
真「・・・そうか。」
桐「・・・。」
真島は安心したのか芽依から離れ、勢いよく入ってきた扉をあける。
芽「あの!」
真「・・・無事ならええんや。」
ほなと言って出て行った。
伊「なんだ・・・本当に芽依が心配できたのか?何か裏があるんじゃないだろうな。」
桐「・・・兄さんはそんな男じゃない。」
ちらりと芽依を見る桐生。
桐「・・・とりあえず、しばらく安静にしておけ。」
芽「はい。」
桐生は伊達と遥を連れて病院を出て行った。
それから数日後。
色々な事があった。
伊「芽依のところに行かなくていいのか?」
桐「・・・兄さんが行ってるようだしな。」
伊「へぇ。あいつ、相手を思いやる気持ちなんてもってたんだな。」
桐「・・・。」
伊「けど、色々あったんだ。話すのは辛いかもしれないが、芽依には報告するべきじゃないか?」
桐「・・・。」
遥「おじさん。」
桐「そうだな、行ってくる。」