土方夢小説
□西の暁
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琴は店の片付けをしていた。
ガラっと扉が開く。
琴「あ、ごめんなさい。今日はもう終わっちゃって。」
「西の暁ですね。」
その言葉に木刀に手をかける。
「ほう、すぐに刀に手をかけるとは・・・噂通りの女性ですね。」
変なハチマキを巻いて顔を隠した男が立っていた。
琴「あなたは誰。」
「僕は攘夷活動をしている者です。あなたを仲間に誘いに来ました。」
素顔は見えない。
琴「小太郎君のところの人?」
「あんなロン毛男と一緒にしないでいただきたい。」
琴「そう・・・でも私はあなた達の仲間になる気はない。早く帰って。」
「・・・それもそうですよね。真選組と仲良しこよししてるなら、もう足を洗ったという事・・・。」
そう言って3枚の写真を投げる。
それはこの間のデートの写真だった。
「鬼の副長土方に1番隊隊長沖田。そして、白夜叉。」
琴「いつの間に・・・。」
「どうやら坂田銀時が白夜叉だという事は真選組は知っているようですから。うかつに近づけません。そこであなたを誘いに来たというわけです。」
琴「くっ。」
「彼らに、西の暁だってバレたくありませんよね?」
琴「・・・。」
「それに、伝説の攘夷志士と知り合いだと上にバレたら・・・土方と沖田・・・いや、真選組はどうなるでしょうかね。」
琴「そんな・・・。」
「・・・少し時間をあげましょう。その間に考えておいてください。」
男は去っていった。
銀「琴、宇治金時パフェ食わしてくれぇ・・・お金なら絶対来月払うからぁ。前金で、200円あげるからぁ!」
琴「・・・いいわよ。」
いつもならガミガミと怒る琴。
しかし、今日は特に怒りもせず宇治金時パフェを出してくれた。
銀「・・・どうした。何か悩み事か?」
琴「・・・え?なんで?!」
銀「いや、いつもなら俺のこと蹴飛ばしたり蹴飛ばしたり、殴ったりするだろ。」
琴「そ、そうだっけ。ごめんちょっと疲れてるんだ。」
銀「まぁ、殴られなくて済むのは俺は助かるけど・・・あんまり無理すんなよ。」
琴「うん・・・。」
「琴さん、サンドイッチお持ち帰りでください。」
琴「あ!はーい!」
せっせとサンドイッチを作る琴を見る銀時。
気になりながら宇治金時パフェを食べた。