土方夢小説
□距離
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銀時達は九兵衛の誕生日パーティへと来ていた。
新「姉上!早く銀さん達と合流しましょう!彼らをこんなところに野放しにしてたら危険です!」
妙「そんな心配しなくても大丈夫よ。TPOくらいわきまえてるわよ銀さん達も。」
そう言って自分たちの席を探す。
そこには、静かに席に座る銀時と琴と桂と長谷川がいた。
新「よかったぁ。何かやらかす前に間に合ったみたいです。まぁ、琴さんがいるから心配する事ないか・・・。」
しかし、あまりに静かな4人。
気になった新八は目を凝らしてよく見る。
長「1、2、3、4、5!よっしゃー!人気俳優になり収入が1千万円増える!!これは勝った!!勝ち組の仲間入りだよ!!」
どうやら人生すごろくをやっているようだ。
桂「黙れー!!勝負は最後までわからんぞ!!」
琴「そ、そうよ!!途中で余裕かましてると痛い目見るわよ!!」
長「いいや!勝ったね。こっから君たち負け組が追いつくなんて到底不可能!だって俳優だもの!勝ち組だもの!!」
銀「・・・ボードの上ではな。いくら勝ち組になろうと、現実という名のボードの上ではあんたが無職という事実はなんら変わらない事を忘れんなこのヤロー!」
桂と琴はウンウンとうなづく。
4人はワーワー騒ぎ始めた。
新「・・・。」
妙「・・・。」
新八はものすごい勢いで走り出し、ボードを回転させふせてしまう。
長「あぁ!!何すんだよ!新八くん!!」
新「何すんだじゃねえだろ・・・珍しく神妙な顔してると思ったらお前らなんつーとこで人生すごろくしてるんだ!」
こめかみをグリグリしながら叱る。
銀「何言ってんだ新八。お誕生日会に人生すごろくは必需品じゃないか。」
新「あ?!」
銀「いつもなら不健康にすぐテレビゲームってところだが、お誕生日会はご馳走を作ってくれるお母さんの目がいつもより光ってる。」
新「・・・。」
銀「そこでテレビゲームは諦め、人生すごろく辺りで手を打ち、いい子ぶってご馳走にありつく。これがお誕生日会の極意だろうが。」
新「しらねぇんだよ!!てめえが培って来たお誕生日会ノウハウなんて!!」
琴「でも、これみんなでやったら楽しいわよ!」
新「楽しいわよじゃねーよ!しっかり者かと思ったら何ノリノリでやってんだよ!」
そんな大騒ぎするテーブルに注目するセレブ達。
新「今目が光ってるのは、お母さんじゃなくてセレブ達の目だよ!ここは僕たちが子供の頃やってた誕生日会とは違うんですよ!」
新八が銀時達を叱り席に座らせると、室内だというのにテントを見つける。
新「ん?」
するとテントのチャックがゆっくり開き、中から神楽が出てくる。
神「まだアルか、パーティ開始時刻は。」
新八は瞬時に飛び蹴りをし、神楽を連れ帰る。
神「嫌アル!!こんなにたくさんいるんだヨ!私の春巻きも無くなってしまう!無くなってしまうネ!永住するアル!!」
新「神楽ちゃん!お願いだから戻ろ!こんな事してたら僕ら追い出されちゃうよ!」
なんとか神楽を座らせるとパーティがようやく始まった。