土方夢小説

□戦い
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気がつくと、琴の前に真二が倒れていた。

琴「ハァ・・・ハァ。」

真「・・・くっ。」

起き上がろうとする真二だが、体が動かないようだ。

そして、刀をかまえる琴。

琴「ハァ・・・。」

琴の手が震える。

真「・・・どうした、怖じ気付いたのか。」

琴「くっ。」

真「・・・何人も殺して来たのだろう。今さら何に怯える。」

琴「・・・。」

真「俺は・・・お前の母さんを殺した。金が目当てで殺したんだ!」

琴「!!」

真「お前もついでに殺して、1人で優雅に過ごすつもりだった!!」

琴「やめろ・・・。」

真「それを俺の部下がヘマして、お前だけが生き残ってしまった。お前がいなくなった時、清々したんだ!!」

琴「やめろー!!」

刀を振り下ろす琴。











真二の目の前で刀は止まっていた。

琴「・・・うう。」

カランと刀を落とす。

そして、膝をつく。

琴「・・・どうしてだろ・・・あんなに・・・あんたを恨んでたのに・・・。」

真「・・・。」

琴「その為に・・・お母さんを殺したやつらを殺して・・・あんたの部下を何人も殺して・・・やっと居場所を突き止めたのに。」

真「・・・。」

琴の目からは涙が溢れ出していた。

琴「・・・なんで、あんたを・・・殺せないんだろう。」

そこに銀時達がやってくる。

桂「いくら恨んでいようが、父親は父親。殺せないのも無理はない。」

琴「・・・くそぉ!!」

床をドンと、何度も何度も叩く。

血が流れる拳を止める銀時。

銀「もう、恨みの呪いから解放されてもいいだろ。」

琴「ううう。」

神「琴ちゃん。」

新「・・・。」

すると、真二はなんとか起き上がり土方に話し出す。

真「俺は・・・自分の妻を・・・殺した。」

土「・・・。」

真「そして、それに関係した俺の部下を・・・殺した。」

琴「何言って!」

真「昔の罪をバラされるのが怖くなってな。俺が殺した。」

琴「・・や、やめてよ!!」

土「それが事実なら・・・殺人犯で御用になる。」

真「・・・。」

土「死刑の可能性もある。それでも、事実だと言うんだな?」

真「・・・ああ。」

琴「違う!!私が・・・私がころ」

真「琴!!」

その声にビクッとする琴。

真「俺は・・・後悔していた。」

琴「・・・。」

真「金の為に殺したが・・・金じゃ買えない・・・かけがえのないものを失ってしまったと。そんな当たり前のこと・・・なんで気づかなかったんだろうな。」

琴「お父さん・・・。」

真「だから、最後ぐらい・・・父親らしくさせてくれ。」

真二は涙を流し、真選組に連れていかれた。
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