真田夢小説(ハム子)★完結★
□滅びと決断
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満月の夜。
風「あ、公子ちゃん。」
公「ん?何?」
風「アイギス見なかった?最近帰りが遅いんだよね。」
公「アイギスが?・・・うーん見てないけどなぁ。」
風「そっか。」
アイギスは影時間になっても戻ってこなかった。
公「アイギス・・・。」
気になった公子は桐条の部屋へと向かった。
だがいないようだ。
公「4階かな?」
作戦室へ向かうと、桐条と風花とゆかりの姿があった。
公「あ、みんな。」
ゆ「あっ・・・公子。」
公「アイギスのことが気になって。」
桐「そのことなんだが、ペルソナの反応があった後アイギスの反応が消えたらしい。ストレガではないようだが・・・。」
風「場所がはっきりしました!ムーンライトブリッジです!」
桐「よし、みんなを起こしてくれ。とりあえず、現場へ行ってみよう。」
ムーンライトブリッジに駆けつけた。
公「こ、これ・・・。」
落ちていたのはアイギスのパーツのようだ。
それを辿ると、大きく破損したアイギスが倒れていた。
公「アイギス!!」
アイギスの周りに駆け寄る。
ア「すみません、私・・・全部思い出した。私が誰なのか、彼が誰なのか。」
アイギスはゆっくり手を差し伸べてくる。
公子はギュッと手を握った。
ア「公子さん。あなたのそばにいたかった理由も・・・わかったの。」
公「え?」
ア「ごめんなさい私・・・やっぱり勝てなかった。」
公「わかったから・・・もう喋らないで。」
ア「ごめんなさい・・・。」
「君が謝る必要なんてない。」
その声には聞き覚えがある。
順「お前!」
ゆ「綾時くん?」
するとプシューと音がする。
風「アイギス!?」
公「アイギス!ねぇ!ねえってば!!」
アイギスは動かなくなった。
真「どういうことだ。」
望「全て・・・僕のせいなんだ。」
真「なっ!お前がやったってことか!?」
望「・・・僕は君たちがシャドウと呼ぶものと・・・ほぼ同じ存在なんだ。」
順「お前がシャドウだぁ!?」
望「僕はシャドウから一歩進んだ存在。12のアルカナが全て交わって生まれる、宣告者なんだ。」
公「え・・・それって、幾月さんが言ってた。」
望「・・・さっき、全てを思い出したんだ。シャドウの正体、そして僕自身の恐ろしい正体も。」
ゆ「な、何言って・・・。」
望「信じられない!!!・・・こんな事って・・・。」
桐「・・・シャドウの正体を知っているのか?」
望「・・・シャドウの目的は母なるものの復活なんだ。死の宣告者・・・その存在に引き寄せられて母なるものの目覚めは始まる。」
桐「死の宣告者・・・それが君だというのか?」
望「そう・・・。」
風「母なるものって・・・いったい。」
望「大いなるものさ、君たちの言語に当てはまる言葉はない。」
綾時は桐条を見る。
望「10年前、1人の人間によって無数のシャドウが1つの場所に集められた。そこで僕は生まれたんだ。」
桐「・・・。」
望「でも結合はなぜか急に中断されてね、僕は不完全なまま目を覚ました。そして、アイギスと相打ちになった。」
順「アイギスと!?」
望「彼女は僕を封印しようと捨て身で挑んだ。そして僕はたまたまそこにいた1人の子供の中に封印された。」
ゆ「子供に!?」
望「その子供は僕を宿したまま成長し、運命の悪戯で再びその地へ戻ってきたんだ。君たちの学園の転入生としてね。」
その言葉に一斉に公子を見る一同。
望「そう、彼女だよ・・・公子。僕はずっと、彼女の中にいたんだ。」
公「・・・え?」
望「そして、彼女に特別なペルソナ能力が目覚め、それと同時に12のシャドウが目覚めた。彼女の中の僕と1つになるためにね。」
順「なんだよそれ・・・いきなり言われても信じてられっかよそんなの!?」
望「全て・・・僕が原因なんだ。ごめんよ・・・。」
綾時は涙を流した。
望「それに君たちにはまだ・・・大事なことを・・・伝え・・・。」
綾時はその場に倒れた。
意識はないようだ。
とりあえずアイギスと共に連れて帰ることにした。