真田夢小説(ハム子)★完結★

□滅びと決断
1ページ/10ページ

満月の夜。

風「あ、公子ちゃん。」

公「ん?何?」

風「アイギス見なかった?最近帰りが遅いんだよね。」

公「アイギスが?・・・うーん見てないけどなぁ。」

風「そっか。」

アイギスは影時間になっても戻ってこなかった。

公「アイギス・・・。」

気になった公子は桐条の部屋へと向かった。

だがいないようだ。

公「4階かな?」

作戦室へ向かうと、桐条と風花とゆかりの姿があった。

公「あ、みんな。」

ゆ「あっ・・・公子。」

公「アイギスのことが気になって。」

桐「そのことなんだが、ペルソナの反応があった後アイギスの反応が消えたらしい。ストレガではないようだが・・・。」

風「場所がはっきりしました!ムーンライトブリッジです!」

桐「よし、みんなを起こしてくれ。とりあえず、現場へ行ってみよう。」

ムーンライトブリッジに駆けつけた。

公「こ、これ・・・。」

落ちていたのはアイギスのパーツのようだ。

それを辿ると、大きく破損したアイギスが倒れていた。

公「アイギス!!」

アイギスの周りに駆け寄る。

ア「すみません、私・・・全部思い出した。私が誰なのか、彼が誰なのか。」

アイギスはゆっくり手を差し伸べてくる。

公子はギュッと手を握った。

ア「公子さん。あなたのそばにいたかった理由も・・・わかったの。」

公「え?」

ア「ごめんなさい私・・・やっぱり勝てなかった。」

公「わかったから・・・もう喋らないで。」

ア「ごめんなさい・・・。」

「君が謝る必要なんてない。」

その声には聞き覚えがある。

順「お前!」

ゆ「綾時くん?」

するとプシューと音がする。

風「アイギス!?」

公「アイギス!ねぇ!ねえってば!!」

アイギスは動かなくなった。

真「どういうことだ。」

望「全て・・・僕のせいなんだ。」

真「なっ!お前がやったってことか!?」

望「・・・僕は君たちがシャドウと呼ぶものと・・・ほぼ同じ存在なんだ。」

順「お前がシャドウだぁ!?」

望「僕はシャドウから一歩進んだ存在。12のアルカナが全て交わって生まれる、宣告者なんだ。」

公「え・・・それって、幾月さんが言ってた。」

望「・・・さっき、全てを思い出したんだ。シャドウの正体、そして僕自身の恐ろしい正体も。」

ゆ「な、何言って・・・。」

望「信じられない!!!・・・こんな事って・・・。」

桐「・・・シャドウの正体を知っているのか?」

望「・・・シャドウの目的は母なるものの復活なんだ。死の宣告者・・・その存在に引き寄せられて母なるものの目覚めは始まる。」

桐「死の宣告者・・・それが君だというのか?」

望「そう・・・。」

風「母なるものって・・・いったい。」

望「大いなるものさ、君たちの言語に当てはまる言葉はない。」

綾時は桐条を見る。

望「10年前、1人の人間によって無数のシャドウが1つの場所に集められた。そこで僕は生まれたんだ。」

桐「・・・。」

望「でも結合はなぜか急に中断されてね、僕は不完全なまま目を覚ました。そして、アイギスと相打ちになった。」

順「アイギスと!?」

望「彼女は僕を封印しようと捨て身で挑んだ。そして僕はたまたまそこにいた1人の子供の中に封印された。」

ゆ「子供に!?」

望「その子供は僕を宿したまま成長し、運命の悪戯で再びその地へ戻ってきたんだ。君たちの学園の転入生としてね。」

その言葉に一斉に公子を見る一同。

望「そう、彼女だよ・・・公子。僕はずっと、彼女の中にいたんだ。」

公「・・・え?」

望「そして、彼女に特別なペルソナ能力が目覚め、それと同時に12のシャドウが目覚めた。彼女の中の僕と1つになるためにね。」

順「なんだよそれ・・・いきなり言われても信じてられっかよそんなの!?」

望「全て・・・僕が原因なんだ。ごめんよ・・・。」

綾時は涙を流した。

望「それに君たちにはまだ・・・大事なことを・・・伝え・・・。」

綾時はその場に倒れた。

意識はないようだ。

とりあえずアイギスと共に連れて帰ることにした。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ