真田夢小説(ハム子)★完結★

□愛
1ページ/12ページ

公子が真田と一緒に電車に乗ると、望月も乗っていた。

望「あ!公子ちゃん!」

手を振る望月に公子も手を振る。

公「あっ望月くん!」

望「やだな、綾時でいいよ。」

公「うん、わかった!おはよう綾時くん!」

そんな望月をじっと見る真田。

望「えっと・・・そちらの方は?」

公「あ、3年の真田先輩だよ。先輩、こちら転校生の望月綾時くんです。」

真「・・・よろしく。」

望「はい、こちらこそ。っていうか、こうやって一緒の電車に乗るなんて運命かな?」

真「なっ。」

公「ははっ!何言ってんだか!」

望「本当にそう感じたんだけどな。この海も、こんなに綺麗に見えるのは公子ちゃんと一緒だからだと思うんだ。」

真「・・・口説き文句にしては直球すぎるんじゃないか?」

望「え?僕はそんなつもりはないんですけど。」

真「・・・。」

公「きっと綾時くんって外国育ちだから、平気でそういう事言うんですよ!」

真「・・・そうか。」

望「ふふっ。もちろん口説き文句としてとらえてくれてもいいけどね。」

その言葉に真田はむすっとする。

3人で登校することになってしまった。

下駄箱につくと、望月は真田の方を向く。

望「じゃあ真田先輩、僕たちはこれで。」

真「あ、あぁ。」

2人は話しながら教室へ行く。

『素直になれよ、アキ。』

荒垣の声が頭に響く。

真「主人!」

公「はい?」

真「放課後、いつもの場所で待ってるから・・・一緒に帰らないか?」

公「はい!わかりました!」

望「・・・。」

真「じゃあ、またな。」

真田は手を振り自分の教室へと向かった。

そして放課後。

公「先輩!お待たせしました!」

真「俺も今きたところだ。」

2人で帰ろうとすると綾時がやってくる。

望「やぁ、また会ったね。」

公「あ、綾時くん。順平と帰るんじゃなかったの?」

望「そのつもりだったんだけど、何やら先生に呼ばれちゃってね。どうしようかと思ってたところなんだ。」

真「・・・。」

望「真田先輩・・・そんな怖い顔で見ないでくださいよ。公子ちゃんが怖がりますよ?」

公「え?」

パッと真田を見ると確かに怒っていた。

望「そうだ。よかったら僕も一緒に帰っていいかな?」

公「いや・・・えっとぉ。」

するとダダダダと走る音が聞こえる。

順「こんにゃろー!置いてくなんて卑怯者めー!」

順平は望月の背中に乗る。

望「ちょ!じゅ、順平くん!急になんだい!」

順「急になんだいじゃないだろー!普通一緒に帰る約束してた友達が先生に呼ばれたら、待ってるのが友達じゃねぇか!」

望「そ、そういうものなのかな?」

順「そういうもんなの!!」

公「そう言えばなんで呼ばれたの?」

順「あ、いや・・・成績のことでさ。次の期末で悪かったら俺やべ〜らしいんだよぉ。」

真「ふっ。美鶴のお仕置きも待ってるからな、今回は真剣に勉強してみたらどうだ?」

順「はっ!そうだった!うう、これはマジで勉強しないとマズイやつだぁー。」

公「今度教えてあげるから、元気出してよ!」

順「本当か!!ありがとよー公子っちぃ!」

真「さぁ、順平も来たことだし俺たちは帰るか。」

公「あ、はい!じゃあまた明日ね!」

望「あっ!公子ちゃん僕も・・・。」

行こうとする望月を止める順平。

順「2人っきりにさせてやれって!」

望「え?」

順「みてわかんねぇのかよ。いい感じじゃんかあの2人。」

望「いい・・・感じ。」

望月は歩く2人を黙ってみていた。

真(グッジョブだ順平。今度何か奢ってやるか。)

公「先輩?聞いてます?」

真「あっ!?な、なんだ?」

公「もぅ!やっぱり聞いてない!」

真「す、すまん。」

公「・・・これ、今度一緒に観に行きませんか?」

公子は映画のチケットを差し出す。

真「えっ・・・。」

公「・・・先輩と観に行きたいなって・・・ダメですか?」

真「いや!!ダメなんかじゃない!一緒に行こう!」

その返事に嬉しそうに笑う公子。

真田も嬉しそうだ。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ