真田夢小説(ハム子)★完結★
□愛
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公子が真田と一緒に電車に乗ると、望月も乗っていた。
望「あ!公子ちゃん!」
手を振る望月に公子も手を振る。
公「あっ望月くん!」
望「やだな、綾時でいいよ。」
公「うん、わかった!おはよう綾時くん!」
そんな望月をじっと見る真田。
望「えっと・・・そちらの方は?」
公「あ、3年の真田先輩だよ。先輩、こちら転校生の望月綾時くんです。」
真「・・・よろしく。」
望「はい、こちらこそ。っていうか、こうやって一緒の電車に乗るなんて運命かな?」
真「なっ。」
公「ははっ!何言ってんだか!」
望「本当にそう感じたんだけどな。この海も、こんなに綺麗に見えるのは公子ちゃんと一緒だからだと思うんだ。」
真「・・・口説き文句にしては直球すぎるんじゃないか?」
望「え?僕はそんなつもりはないんですけど。」
真「・・・。」
公「きっと綾時くんって外国育ちだから、平気でそういう事言うんですよ!」
真「・・・そうか。」
望「ふふっ。もちろん口説き文句としてとらえてくれてもいいけどね。」
その言葉に真田はむすっとする。
3人で登校することになってしまった。
下駄箱につくと、望月は真田の方を向く。
望「じゃあ真田先輩、僕たちはこれで。」
真「あ、あぁ。」
2人は話しながら教室へ行く。
『素直になれよ、アキ。』
荒垣の声が頭に響く。
真「主人!」
公「はい?」
真「放課後、いつもの場所で待ってるから・・・一緒に帰らないか?」
公「はい!わかりました!」
望「・・・。」
真「じゃあ、またな。」
真田は手を振り自分の教室へと向かった。
そして放課後。
公「先輩!お待たせしました!」
真「俺も今きたところだ。」
2人で帰ろうとすると綾時がやってくる。
望「やぁ、また会ったね。」
公「あ、綾時くん。順平と帰るんじゃなかったの?」
望「そのつもりだったんだけど、何やら先生に呼ばれちゃってね。どうしようかと思ってたところなんだ。」
真「・・・。」
望「真田先輩・・・そんな怖い顔で見ないでくださいよ。公子ちゃんが怖がりますよ?」
公「え?」
パッと真田を見ると確かに怒っていた。
望「そうだ。よかったら僕も一緒に帰っていいかな?」
公「いや・・・えっとぉ。」
するとダダダダと走る音が聞こえる。
順「こんにゃろー!置いてくなんて卑怯者めー!」
順平は望月の背中に乗る。
望「ちょ!じゅ、順平くん!急になんだい!」
順「急になんだいじゃないだろー!普通一緒に帰る約束してた友達が先生に呼ばれたら、待ってるのが友達じゃねぇか!」
望「そ、そういうものなのかな?」
順「そういうもんなの!!」
公「そう言えばなんで呼ばれたの?」
順「あ、いや・・・成績のことでさ。次の期末で悪かったら俺やべ〜らしいんだよぉ。」
真「ふっ。美鶴のお仕置きも待ってるからな、今回は真剣に勉強してみたらどうだ?」
順「はっ!そうだった!うう、これはマジで勉強しないとマズイやつだぁー。」
公「今度教えてあげるから、元気出してよ!」
順「本当か!!ありがとよー公子っちぃ!」
真「さぁ、順平も来たことだし俺たちは帰るか。」
公「あ、はい!じゃあまた明日ね!」
望「あっ!公子ちゃん僕も・・・。」
行こうとする望月を止める順平。
順「2人っきりにさせてやれって!」
望「え?」
順「みてわかんねぇのかよ。いい感じじゃんかあの2人。」
望「いい・・・感じ。」
望月は歩く2人を黙ってみていた。
真(グッジョブだ順平。今度何か奢ってやるか。)
公「先輩?聞いてます?」
真「あっ!?な、なんだ?」
公「もぅ!やっぱり聞いてない!」
真「す、すまん。」
公「・・・これ、今度一緒に観に行きませんか?」
公子は映画のチケットを差し出す。
真「えっ・・・。」
公「・・・先輩と観に行きたいなって・・・ダメですか?」
真「いや!!ダメなんかじゃない!一緒に行こう!」
その返事に嬉しそうに笑う公子。
真田も嬉しそうだ。