真田夢小説(ハム子)★完結★

□はじまり
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公「あー、やっと着いたー。」

今日から月光館学園の寮に住むことになった。

最寄りの駅まで電車に乗ったはいいものの、途中でポイント故障の為、止まってしまっていたのだ。

改札を出ると、なんだか雰囲気が変わった気がした。

公「ん?・・・気のせいかな?」

とりあえず歩き出す公子。

公「なにこれ・・・。」

道には棺のようなオブジェが置かれていた。

公「・・・早めのハロウィン?・・・な訳ないか。」

足早に寮へと向かった。

公「こんばんわー・・・遅くなってすみませーん。」

しかし返事は返ってこない。

公「あのー・・・。」

受付に向かうと1人の男の子が顔を覗かせた。

「ようこそ。遅かったね、長い間君を待ってたよ。」

公「あ、ごめんなさい。電車が止まっちゃって。」

「この先へ進むなら、ここに署名をして。一応、契約だからね。」

公「契約?」

「怖がらなくていいよ。ここからは、自分の決めたことに責任を取ってもらうってだけだから。」

公「はぁ・・・。」

公子は出された紙に署名をした。

「確かに・・・。」

男の子は署名した紙を確認する。

公「えっと・・・。」

「時は、誰にでも結末を運んでくるよ。たとえ、耳と目を塞いでいてもね。」

公子は首を傾げる。

「さぁ、始まるよ。」

そういうと少年はスッと消えてしまった。

公「うわっ!!何!?なんなのー!」

「誰!?」

その公子の声にドタドタと走ってくる女の子。

「この時間に・・・どうして・・・まさか!」

女の子は太ももにある何かを取り出そうとする。

公「ひえ!」

「待て岳羽!!」

そこには髪の長い女子生徒が立っていた。

暗かった寮に明かりがつく。

「・・・到着が遅れたようだね。私は、桐条美鶴。この寮に住んでるものだ。」

公「あ・・・こ、こんばんわ。」

「誰ですか?」

美「彼女は転入生だ。ここへの入寮が急に決まってね。いずれ、一般寮への割り当てが正式にされるだろう。」

「・・・いいんですか?」

美「さぁな。彼女は岳羽ゆかり、この春から2年生だから、君と同じだな。」

ゆ「岳羽です。」

公「・・・さ、さっきの銃?」

ゆ「えっ・・・あ、なんていうか趣味っていうか・・・。」

岳羽はしどろもどろしている。

美「世の中物騒だからな。護身用といったところさ。もちろん、弾が出るわけじゃない。」

公「そう・・・ですか。」

今日はもう遅いということで3階の空き部屋に案内された。

岳羽に案内される公子。

ゆ「この部屋だね。一番奥だから覚えやすいでしょ?えっと・・・何か聞きたいことある?」

公「うーん・・・そういえば、岳羽さんに会う前に小さな男の子に会ったんだけど、その子も寮生なの?」

ゆ「誰の事?ちょっとやめてよそういうの・・・。」

公「え?でも・・・。」

ゆ「疲れてて変な夢でもみたんじゃない?・・・あの、ちょっと聞きたいんだけど。」

公「ん?何?」

ゆ「駅からここまでくる間、ずっと平気だったの?」

公「え?うん・・・特に何も。どういう意味?」

ゆ「どういう意味って・・・その様子だと本当に平気みたいだね。ならいいんだ!ごめん、気にしないで!」

岳羽はおやすみなさいと言って階段を降りていった。
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