ゾロ夢小説

□出会い
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つぐみはカモメになって空を飛んでいた。

つ「ん?あんなところに女の人が倒れてる!」

つぐみが空からみえたのは小船に倒れているオレンジ色の髪の毛の女性だった。

つ「助けないと!・・・ん?」

助けようとするが、それより先に小船が近づいていく。

「おい、誰かぐったり倒れてるぞ!」

「お?女じゃねえのか?」

「おい、お前!ぐっしっし。どうしたんだ?死んでんのか?」

海賊旗を掲げているが、一応女性を助けようとしているようだ。

つぐみは空から様子を見ていた。

「あ、ああ。私は夢でも見ているのかしら・・・。こんなに広い海で人に出会えるなんて・・・。」

女性はかなり弱っているらしい。

「ど、どなたか存じませんが・・・水を・・・水を一杯いただけませんか?・・・できるなら、たったひとかけらのパンでも・・・私、遭難してしまって。お金ならいくらでも差し上げます。どうか・・・助けて・・・。」

そんな女性の声を聞いた男3人はニヤニヤ笑う。

「いいとも、助けてやろう。」

「だが、その前にその宝箱見せてくれねぇかな?」

つ(ん?)

その男の発言に女性は少しニヤついたかと思ったが、気のせいのようだ。

「どうぞ、こちらに来て好きなだけお持ちください。それより・・・水を・・・。」

男達は水より先に宝箱へと群がる。

「まぁ、待て待て娘さん!宝の確認が先さ!」

「そうさ!なんせ俺たちはあんたの命を助けるんだ!」

こいつら宝だけとって、助ける気は無さそうだと感じるつぐみ。

すると、弱っていたはずの女性がひょいっと海賊が乗っていた船へと乗り移る。

その行動に海賊達は気がついていない。

つ(あ、そういうことか。)

すると女は奪った船で先に進む。

「よろしければ、船ごと差し上げますわ!」

そう言ってニッコリ笑う女性。

どうやら宝箱は空のようだ。

海賊達が船を盗まれた事に気づくものの、時すでに遅し。

海賊達が乗ってきた船は女性とともに遠くへ行っていた。

「くそぉ!!騙された!!!」

「覚えてろー!」

するとつぐみの上に黒い雲が現れる。

つ(わ!危ない!)

つぐみは急いで女性の方へ飛んでいく。

「まもなく激しい雨と共にスコールが吹くでしょう。小さな船は転覆にご注意ください!」

女性がそう言うと見事に的中。

「ビンゴ!」

つ(す、すごい。)

さてと、と先に進む女性。

女性が気になったつぐみは、その船へと降りる。

「あら、カモメさん。どうしたの?」

つぐみを優しく撫でる女性。

「すごーい!カモメに触れるなんて!あなた人に慣れてるのね!」

つ「クァー!クァー!」

「ふふ、可愛い!」

つぐみはしばらく女性の船に乗った。
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