桐生夢小説

□集結
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芽依が思う通り、桐生は刑務所へと入った。

けど、理由は聞かなかった。

「正式に手続きは終了しました。」

芽「・・・ありがとうございます。」

芽依は役所に来ていた。

離婚届を出しに来たのだ。

遥とアサガオに戻るため。

桐生がケジメをつける姿を見て、芽依も覚悟を決めたようだ。

芽「結婚なんてしてなくても、パパと一緒に暮らせたらそれでいいよね?」

ベビーカーで眠る拓海の頭を撫でる。

役所の前には遥が待っていた。

芽「お待たせ!」

遥「あっ・・・離婚届、出せたの?」

芽「うん、出せたよ。あんな紙切れ一つで私と一馬さんの絆は切れないもの!」

遥「・・・そっか。」

遥はなんだか落ち込んでいるようだ。

芽「・・・ほら、荷物持って!飛行機の時間に間に合わなくなるわよ!」

遥「・・・うん。」

空港へつき、手続きをしているとバタバタと走る音が聞こえる。

真「芽依ちゃん!」

遥「あ、真島さんだよ。」

芽「え?」

振り返るとゼーハー息を切らしている真島がいた。

芽「どうしてここに?」

真「・・・なんで、沖縄帰るって言ってくれへんねん!」

芽「あ・・・すいません。離婚届出す事で頭がいっぱいで。」

真「・・・なんやて?」

芽「・・・桐生さんとは別れることにしたんです。」

真「・・・。」

芽「・・・ほら!一馬さんも覚悟決めてるのに、私だけだらだら離婚届出せないなんて嫌じゃないですか!」

真「・・・お前の気持ちはどうなんや。」

芽「え?」

真「桐生ちゃんが覚悟したから離婚届を出した?・・・芽依ちゃんの気持ちはどこ行ったんや!」

芽「それは・・・。」

真「・・・すまん。そうするしかなかったんやな、忘れてくれ・・・。」

そう言って歩き出し、元気でなと手を振る真島。

それを見ることしかできなかった。

遥「・・・芽依さん。」

芽「あ・・・ごめんね!行こうか!」

芽依と遥は沖縄のアサガオへと向かった。
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