楠雄夢小説 ★完結★

□新学年
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次の日、なるべく平常心で過ごそうと2人は離れて歩く。

燃「お?喧嘩したのか?」

そんな声に振り返ると、燃堂が骸骨に見えた。

楠「ね、燃堂か!?」

燃「なんだよ、変だぞ相棒。」

燃堂の後ろから海藤と窪谷須がやってくる。

海「斉木おはよう!」

窪「おい。まさか喧嘩したんじゃねぇだろうな。」

殺気がすごい窪谷須。

楠「してない。こ、これには訳が。」

蛍「み、みんな!おはよー!」

離れて挨拶をする蛍。

その声に、蛍の横まで走る窪谷須。

それを見た楠雄は嫉妬をした。

楠(僕だって一緒にいたいんだぞ!けど、感情を高めるなとあいつが・・・。)

蛍《さ、斉木くん?》

蛍の声が聞こえて驚く楠雄。

楠《佐能さん・・・なのか?》

蛍《う、うん。テレパシーは使う気は無いんだけど・・・みんなの声聞こえちゃって。》

楠《じゃ、じゃあ今の言葉も。》

蛍《・・・う、うん。》

顔を染める2人。

燃「お?なんだ相棒、顔真っ赤だぞ。」

海「そうか!風邪をひいたんだな!だから離れて歩いてたんだろ!」

楠「・・・そんなとこだ。」

とりあえず学校へと向かった。

蛍(ううう!うるさい!みんなの心の声が聞こえてくる!)

才(くそ!斉木楠雄め!俺様の・・・俺様の初恋を持っていきやがって!)

その声に振り返ると才虎は楠雄を睨んでいた。

蛍(・・・はっ!そうか!斉木くんはあの2人が私の事好きだって随分前から気づいてたのかも・・・。)

照(あーあ。やっぱりなぁ。)

今度は照橋の声が聞こえてる。

照(・・・おっふしないのは私の事好きとかそういうのじゃなかったって事なのね。)

蛍(心美ちゃん・・・。)

照(でも、2人とも幸せそうだし。斉木くんも私といるより優しい顔してる。応援しなきゃね!)

すると、照橋が教室へ入ってくる。

照「みんな!おはよー!」

「おっふぁようございまーす!!」

男子たちが一気に挨拶する。

照「おはよう!蛍ちゃん!斉木くん!」

蛍「おはよう!」

楠雄はペコリと頭を下げる。

蛍(そっか。斉木くんはこんな状況の中毎日学校に来てたんだ。)

ちらりと楠雄を見る。

楠(・・・くそ。なんで佐能さんは心の声が聞こえるようになったんだ。)

どうやら蛍の事を考えてくれているようだ。

蛍は話しかけようとしたが、超能力を使おうとするなという空助の言葉を思い出しやめることにした。

楠(僕も燃堂は骸骨に見えるし、教室の扉は勝手に開くし。なんなんだ全く。)

すると窪谷須と海藤がやってくる。

窪「斉木!朝は悪かったな、風邪引いてるんだって?」

楠(あぁ、そういう事になってたな。)

窪「たしかにうつったら大変だからな。まぁ席は隣だからしょうがないけど、男らしいじゃねえか!」

楠(そんなこと言いにきたのか。)

海「そうじゃなくて鍵だろ鍵!」

窪「あぁ、そうだった。俺のバイクのキー知らないか?」

楠雄は首を振る。

窪「佐能は見てねぇか?」

蛍「うーん。見てないけど。」

窪「そうかー。どこ行っちまったのかなぁ。」

すると楠雄は急に空中をかき出す。

海「・・・何してんだ斉木?」

楠(くそ!掃除用具入れが頭に浮かんで仕方ない・・・。)

海「あ!そういや、掃除用具入れ探してないよな?」

窪「あぁ!さっきまでネリチャギの練習してたしな!」

2人がロッカーを開けると大量の本が流れ出てくる。

海「なんだ!」

窪「これ、昨日の図書室で無くなった本じゃねえか!?」

蛍(あ、あれ・・・もしかして斉木くんが。)

楠雄は平常心平常心と心の中でつぶやいていた。

楠(ん?なんだ、口の中に何かが。)

楠雄の口の中から鍵が出てきた。

蛍(えっ!なにそれ!)

楠雄と目が合う。

楠(今も聞こえているのか?)

その言葉にウンウンと頭を振る。

すると窪谷須が俺の鍵見つけてくれたのかーと嬉しそうに受け取った。

楠(これは違う・・・ぼ、僕は口を大きく開ける癖があるからその時に入ったんだ。)

蛍(そんな癖ないでしょ。)

その後も色々と超能力が発動していった。
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