楠雄夢小説 ★完結★
□戦い
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鳥「な、なにしてるっすか斉木さん!!」
薬の効き目が切れたのか立ち上がる鳥束。
鳥「右の装置を抜いたら斉木さんの超能力の事が全世界に知れ渡っちゃうんですよ!!」
蛍「う、うーん。」
蛍が目を覚ます。
鳥「そうなったら普通に生活なんてもう!」
蛍「えっ。」
楠『わかっている。だが、僕は人に迷惑をかけてまで普通を得たいとは思わない。お前にも・・・佐能さんにも迷惑をかけたしな。』
蛍「さ、斉木くん何言ってるの!」
楠『いいんだ。こいつの言うことも一理ある。僕の正体が明るみになれば戦争や犯罪は減るだろうし、それにこれから力がどんどん強まり日常生活もままならくなるだろう。』
蛍「そんな・・・。」
楠『遅かれ早かれだ。もう、多分学校には行けないだろうな。あいつらにもよろしく言っておいてくれ。』
鳥「斉木さん・・・。」
空「あ!もうニュースになってる!」
そう言ってスマホの画面を見せる空助。
空「生まれたみたいだよ、パンダの赤ちゃん。」
楠『・・・は?』
空「いやー!実はとっくに解除してたんだよね!ビックリした?あははは!」
すると楠雄は制御装置を抜き生身の空助を殴ろうとする。
鳥「わー!!ダメダメ!ダメっすよー!」
蛍「あはは・・・。」
空「いやぁ、最初はそう思ってたんだけどさ、ある時ふと思ったんだ。人類なんてどうでもよくない?って。」
楠『よくないだろ。』
もうこれは必要ないねと頭の装置を外す空助。
空「もちろん大事だとは思うけどさ、突き詰めれば所詮他人だし、そんな者のために可愛い弟が犠牲になるのも嫌だからね。」
鳥「え、二人って兄弟なんすか?」
楠『今そこ?』
蛍「え?知らなかったの?」
鳥「知らないっすよー!マジかよー!」
空「それに、完全に超能力を消す装置はもう完成したしね。」
楠『そうか・・・。』
鳥「そっか!超能力がなくなれば言う必要もないっすもんね!」
蛍「なんだよかった。」
あはははと笑う。
楠『お前今なんて言った。』
空「え?超能力を消す装置を作ったって・・・あ!蛍ちゃんの分もあるから安心して!」
楠『そこじゃねぇよ。』
空「半年前くらいかな?作るのに苦労したよ!」
蛍「ちょ、超能力が・・・消えるんですか?!」
空「そうだよ。何ビックリして?」
楠『そりゃ驚くだろ!』
空「使いたいなら持ってくるけど、どうする?」
楠『・・・もちろん貰う。』
空「蛍ちゃんもいるかな?」
蛍「え・・・あ、はい貰えるなら。」
楠『そんな飴玉みたいな。』
じゃあ取ってくるねと言って部屋を出ようとする。
空「そうだ。蛍ちゃん。」
蛍「は、はい?」
空「楠雄に勝つためとはいえ君に辛い思いをさせて悪かったよ。ごめんね。」
頭を下げる空助。
蛍「・・・いえ。いままで楽しく過ごせてこれたのもお兄さんの装置のおかげですし、謝らないでください。」
空「優しいんだね蛍ちゃんは。楠雄、これで許してくれるかな?」
楠『・・・佐能さんがいいなら、それで良い。』
鳥「ちょっとちょっと!俺には謝ってくれないんすか!?」
空「あ、ごめんね。」
それじゃあ装置取ってくるねーと行ってしまった。
鳥「ちょ軽くないっすかー!」